インクルージョンボックス

私の内包物をつれづれと

劇団ホチキス 播磨屋ムーンショット 観劇感想

2023年4月9日、あうるすぽっとにて劇団ホチキス播磨屋ムーンショットを観劇。

 

腹がよじれるくらい笑って笑ってめちゃくちゃ楽しかった〜!笑い疲れた!ホチキス見たなあという充足感があって楽しかった。元気出ました。ネタバレ感想です。

あらすじ(HPより引用)

殺し屋が潜伏した先は、奇妙な住人と、うまい飯が集うドライブインだった…。

闇に潜む悪を専門に葬る暗殺者集団、「ナンバー」。名前を持たず、番号で呼ばれるアサシン達で構成された組織だ。その中でもNo.1の実力を持つと言われる「453番」に下されたのは”1000日殺し”だった。1000日殺しは、およそ3年の間ターゲットの近辺に潜伏し、相手を信頼させた上で暗殺を行う特殊な殺し方。453番のターゲットは、山奥なのに客足が絶えないドライブインで、豆腐店を営む初老の女性、播磨谷多鶴子(はりまやたずこ)だった。彼女の命を狙うべく、「シコミ」という名前を与えられた453番だったが、彼女の周囲には奇妙な住人ばかりいて・・・。

ホチキスが贈る、ヒューマン アサシン コメディー!!

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パラドックス定数『四兄弟』観劇感想

2023年3月24日、シアター風姿花伝にて、パラドックス定数『四兄弟』を観劇。

すごく難しかった。これは何かのメタファーなんだろうと思いながらズバリ何かという答えにたどり着く教養もなく、もっと知識があれば楽しむ幅も広がった気がする。元ネタはロシア革命やロシア史の話なんだろう。そして今現在のロシアウクライナ戦争の事も繋がって描いていた。でも逆に歴史のことが全然わからんので気軽に楽しめたってところもありそうな気がしてる。わかってる人の方がこの悲劇ではあるがそこここに漂う喜劇っぽさを気に病んでしまうような……。

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THE MIX UP Vol.3「朝日のような夕日をつれて」観劇感想

2023年3月12日、中目黒キンケロ・シアターにて、朝日のような夕日をつれて 夜公演を観劇。

観劇しながら脳みそがグルグル勝手に回りだして忙しい作品、久々に見た!小劇場の逃げ場のない閉塞感ととても良く合う、居心地が悪くて気持ち悪くて胸糞悪い作品で全然わかんなくて面白かった!!!

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二月大歌舞伎 三人吉三巴白浪 観劇感想

2023年2月15日、歌舞伎座にて三人吉三巴白浪を観劇。

三人吉三、序幕は派手さと様式美の小気味よさで白浪物でも縁起の良さそうな感じするけど、二幕・大詰まで見ると因果と柵で雁字搦めになる苦悩が描かれて重たい作品になるのが面白かった!先月に引き続き愛之助さんと七之助さんを見られて嬉しい。

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木ノ下歌舞伎「桜姫東文章」観劇感想

2023年2月4日、あうるすぽっとにて、木ノ下歌舞伎「桜姫東文章」を観劇!
演出に関しては好みじゃない部分が結構あったんだけど、現代的翻訳をされてもなお、桜姫ってこうだよな!そうだよな!!!って部分を、客に読み違えさせねえぞって作りが好きだった。

今日見てて、演出ってやっぱり好みだよなと思った。古典の桜姫東文章は歌舞伎ならではの種も仕掛けもあるゴージャスで鮮やかなエンタメ性も売りだし、荒唐無稽なストーリーも整合性を無視して突き進む所がある。木ノ下歌舞伎の桜姫東文章は、古典の歌舞伎の持つ派手さによるジェットコースターみたいな感情の起伏を抑えた作りをしていて、あえてローテンションに、種も仕掛けも隠さずあけっぴろげで描いていく事で物語の歪さがより浮き彫りになる感じがした。
個人的には、古典の桜姫みたいにドラマティックな絢爛の中で描かれる残酷物語のほうが好みではある。
今作は、間のとり方が私の体の中に勝手にあるリズムよりも遅くて一幕の途中で寝ちゃったんだけど、二幕ではテンポ感もわかったし、最後どこまで描くのかなと思いながらワクワクして見れたし、ラストで子供と権助を殺した桜姫に演者から放たれた大向う「ハレルヤ!」を聞いてグッと来た。
あの大向うは清玄が言った「女の分際で私を殺した」へのアンサーだし桜姫への祝福だった。女の分際でも男をぶっ殺していいんだよ、踏みにじられたまま生きる必要ないし、意思がないのが女だと思いこんでた愚かな自分を死ぬ前に見つめ直せたら良かったのにね。
劇中での大向うのバリエーションが色々あって面白かった。スガキヤ!とかブルガリア!とかポメラニアン!とか笑った。
木ノ下歌舞伎は完コピ稽古をやるらしいけど、石橋静河さんの桜姫が清玄を殺すシーンと子供に近づけなくされたシーンと権助を殺すシーンはたしかに歌舞伎の仕草だった。
私の中の桜姫東文章が玉様の桜姫と仁左衛門さんの清玄・権助なので、どうしたってあのふたりの桜姫が最高だしずっと脳内に刻まれ続ける作品なんだけど、木ノ下歌舞伎のやる現代への翻訳って本来は松竹とかが真剣にやるべき批判性があって、松竹はちゃんとやってくださいってなった。古典ではその時代背景故に垂れ流してもいいかのようになってる差別やジェンダーギャップの描写を、新作歌舞伎でもそのままのノリで持ち込んでしまうパターンはもうやめてほしいし、それは造り手側が認識できてないからに他ならないと思う。この辺は唐茄子屋の感想(https://inclusionbox.hatenablog.com/entry/2022/10/22/092638)で色々書いたけど、古典でも新作でも、作品に対して現代を生きてる人間が楽しめるだけの批判と再構築があるべきだと思うので。
私が玉様の桜姫を見たときに感じた事を、この木ノ下歌舞伎の桜姫東文章では作品全体で噛み砕いて訴えてたように見えて、特に二幕は桜姫が主体性のない女に見えないように作ってるのかなあと思った。
坂東玉三郎の桜姫は、白菊丸の頃に清玄を置いて先に海に身を投げた時から、どんな状況下でも最後は自分で決める人間性があったし、社会や男達から選ばされる運命を、翻弄されながらも自分で選び直すことで主体性を奪い返し何とか生きながらえてる女だった。
木ノ下歌舞伎の現代に翻訳した桜姫見ると、改めて、江戸時代にストックホルム症候群の女が奪われ続けた尊厳を最終的に男達をぶっ殺すことで奪い返す物語を描いた鶴屋南北ってすげえなって思う。あの時代に意志のある女を描いたんだから。古典では吉田家という家に回収されてしまう結末ではあるけど、木ノ下歌舞伎の桜姫はもう家には帰属しない感じがする清々しいラストだった。

桜姫東文章は歌舞伎の物語としてはかなりフェミニズム的な読み方のできる作品なので、木ノ下歌舞伎では更に踏み込み起伏を減らした描写にして性差別や障害者差別の表現を浮き彫りにしてくのは面白かった。

 

テニミュ4th関東氷帝はテニミュって楽しいじゃん!!!をめちゃくちゃ更新して来るので最高

ミュージカル『テニスの王子様』4thシーズン青学vs氷帝が、テニミュって楽しいじゃん!!!をめちゃくちゃ更新してくれるので、自分のために東京初日〜東京楽までの感想をまとめておく。他人に読ませるための文章になってないので大変読みにくく、見たくないものを見る可能性があるので読まれる方はご注意ください。

テニミュは2ndから見てるのに、4th見てると新規ハイみたいなワクワクして飛び跳ねたくなる気持ちにしてくれるのですごい!それが一番最高、ありがとう!

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壽 新春大歌舞伎 第一部 卯春歌舞伎草紙 弁天娘女男白浪 観劇感想

2023年1月24日、歌舞伎座にて壽 新春大歌舞伎 第一部を観劇。

壽 初春大歌舞伎 楽しかった〜!卯春歌舞伎草紙 は着物も背景もド派手!華やかできらびやかで絢爛の春の到来を寿ぐショーだし、弁天娘女男白浪 は弁天小僧の名場面が最高!愛嬌たっぷり憎たらしくても憎めない愛之助さんの弁天小僧すごくよかった。

壽 新春大歌舞伎の第一部は一幕も二幕も愛之助さんと勘九郎さんがコンビ組んでてそれも楽しかったな。

イヤホンガイドで、白浪五人男は江戸の風情を描いた江戸っ子の芝居だから、上方役者の愛之助さんが東京で弁天小僧を演じるのは珍しい事と解説があって(南座では演じてらしたよう)普段関東圏でしか歌舞伎を見ない私が歌舞伎座愛之助さんの弁天小僧を見られたのはすごくラッキーなのでは?と勝手に嬉しくなっていた。

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