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私の内包物をつれづれと

テニミュ4th六角公演(緑山公演)が今まで見たことのなかったテニミュがてんこ盛りで最高!!!

 テニミュ4th六角公演、今まで見たことのなかったテニミュがてんこ盛りで最高!!!なので感想を残しておく!!!東京公演を5公演見た時点での超絶ハッピーな感情を忘れないための備忘録的な感想文です。思い出したり凱旋公演見たらちょっと追記するかも。毎度ながらとりとめなくて読みづらい。

 

 六角との試合ってこんなに熱かったっけ?こんなにかじりつくように試合に見入って、全身に力が入っちゃう感じだったっけ?っていう良い意味での違和感と発見の衝撃にぶん殴られた。楽曲にあるように、まさに「がむしゃらエンジョイ」な公演だ。今まで六角戦って明るく楽しく爽やかで軽やかな感じというか、悪く言うと、六角の前後にある氷帝立海ほどの痛いくらいの熱さや冷たさや激情はなくて、どちらかというと穏やかな展開というか、見てる私が勝手にそんな感じに受け取って見ちゃうところがあった。

 全国大会行きが既に決まっている学校同士の試合で、しかも六角中テニスの王子様のライバル校の中でもかなり友好的で気の良い奴らばかり。悪い因縁があるわけでも、血反吐吐くみたいな選手生命をかけるような試合でもない。それでも、じゃあ、何でこんなに目の前の試合が色鮮やかで眩しくて焦げつくように熱いのか、そんなのはテニスが好きだから、テニスが楽しいから、負けたら悔しいから、負けて悔しくてもお前らすげえなって、またやりたいって思えるくらいやっぱりテニスが大好きだから、すごくシンプルで根源的な所にストンと落ち着く。そんな公演だった。テニミュって本当に楽しいなあってぴょんぴょん跳ね回りたくなった。

 天衣無縫のことを考えた。個人的にテニミュ3rd(2ndから見てるけど一番回数を見たのが3rdからなので本当に私見)で『天衣無縫』と『天衣無縫の極み』は別物だよってわかるように提示したし、テニミュ4thは俯瞰の視点のあるテニミュなのでスタート地点からベースにこの考えがあると感じている。六角戦および六角公演は、絶対に勝たなきゃいけない追い詰められた状況じゃない。それでも、本気のテニスをがむしゃらなテニスをしてしまう、彼らにとって本来の姿は当たり前に天衣無縫であるってのを、氷帝立海の間で描くのってすごく対比的だしめちゃくちゃ意味があるストーリーだった。原作の時点でそうなのに、今公演を見るまで全然気が付かなかった。まだまだ新しい発見がめちゃくちゃある〜!!!最高に楽しい!!!

 六角公演の歌詞で「悔しさよありがとう」ってフレーズが好きすぎる。

 ジローが歌う「悔しいと思うから楽しいと思える、テニスがとっても愛しい」も大好き。楽しいけど悔しい、悔しいけど楽しいだよね。天衣無縫だ。彼は芝居と歌がシームレスだ。歌を歌うように歌うんじゃなくて話すように歌うから演技と地続きで好き。たぶん出演作がテニミュじゃなかったら台詞回しとかも歌うようにしゃべったりしそう。芥川慈郎の強さや底知れなさが描かれると嬉しくて心が飛び跳ねてしまうオタクなのでずっと飛び跳ねてる。4thは芥川慈郎をずっと氷帝No.2として描いてくれてて最高。六角公演の芥川慈郎は、天衣無縫だけど天衣無縫の極みを必要としてなくて別にそこには行かないけど、普通にテニスとの関係性はずっと大好きで楽しくてワクワクの天衣無縫です、を地で行く感じがマジで最高。私の中のジローの解釈にバチバチにハマっててたまらなかった。横山賀三くんありがとう。

 氷帝の曲、自分達の中に焦げついてまだ確かに募っているテニスへの熱量をダイヤモンドに例えて、そのプリズムに伝われって歌で、ダイヤは物質の中で最も高い熱伝導率を誇るので、君たちのその熱は当然、絶対に伝わるよ。準レギュラー、2年生、それを見守る3年、伝播する熱を感じる氷帝曲好きだな。

 リョーマとオキラクちゃん、親のエゴでテニスを与えられた親のおもちゃの子供同士の、けれど子供なりにきちんとテニスに対する自分の中だけの大切な意思も愛も感情もあるんだよってのがよく分かる話を描いてくれて、ものすっごく満足。ここに南次郎と季楽父が肉体を伴って存在したら過剰だった。公演がはじまる前は越前父子と季楽父子の対比を見たいと思ってたけど、べつに親の物語が見たいわけじゃなかったら、私の中ではこれが大正解で最高だった。オキラクちゃんのリョーマに対する「責任取れよ」はリョーマの手塚に対する「俺に勝っといて負けんな」の類義語だった。テニス人生変えちゃったよ。全国立海のライバルズでオキラクちゃんが帰ってくるの待ってるからな!!!

 緑山の確かな技術とクレバーな戦い方を表現する歌とダンスめちゃくちゃ良いし、わかりやすい熱さやがむしゃらさを持ち合わせてなくても冷めたような態度でも『ノーモチベーションと決めつけるな』なんだよね。「来年は絶対お前を倒してやる!」っていうオキラクちゃんに、リョーマが「コンソレーション負けるつもりなんだ、諦めの早いやーつら!」って声をかけるの、なんか優しくてたまらなくなる。勝ち負け以前に物事を諦めないでいられるのはある程度強い人の特権だと思うんだけど、リョーマはオキラクちゃんをそのくらい認めてるんだなあって。

 階層ごとの感情の描き方が好き。青学の3年生と1・2年の手塚不在に対するそれぞれの感情、氷帝レギュラーと準レギュラーの敗戦後の燻った感情。これはダビデ氷帝百人斬り描写と氷帝準レギュラーが肉体を伴って試合してるのと緑山の存在がかなりポイントになってる。テニミュボーイズの力だなあ。六角もダビデとバネさんの歌の歌詞にあるように層があって、それぞれのテニスが、想いが、繋がっていくし熱が伝播していくのを丁寧に描くのが好き。

 今牧リョーマリョーマのその時々の感情を素直に表現して伝えてくれるのなんか愛しくなる。最初青学曲では突然の手塚の離脱に戸惑って、あれ、俺ってどこを目指せばいいんだっけ俺のテニスどっち向いたら良いんだっけって迷子みたいな目をしてフラフラしてる。3年生が発破をかけてから段々定まってくる、この場所で勝てばいいって事、勝つまで負けないって事、その為には1人で勝つだけじゃ届かなくて足りないんだってことがわかり始める。

 リョーマ不動峰vs立海で橘さんの敗戦を見て、手塚との高架下の試合を思い出して奮い立ち「海堂先輩、必ず勝って上に行こうよ」って思う気持ちと、S3の海堂の勝利にギリギリ間に合って到着するのが、リョーマの感情の動きやスピードとリンクしてていいなあと思った。この心の中の台詞はテニミュオリジナル台詞だけど、リョーマの心の動きにを丁寧に追っていけて楽しい。勝って上に行こう(全国に行こう)ってのはもしも海堂が負けても自分が勝って、の意味も含んでそうだ。海堂が試合に出る時リョーマにアップに行かせるけど、海堂自身試合に負けるつもりなんて全くないけど行かせるわけで、それもチームで勝つことの一端だってリョーマももう分かるようになったと思う。青学というチームで勝つ(1人勝ってもチームでは勝てない)事が、勝って手塚を待つ、勝つまで負けないってことが、少しずつリョーマの中に降り積もって、S3の結果を見に走って走って青学のみんなの思いに追いついてきたっていうリョーマの心を感じた気がした。

 ジローが千石清純になったところ見ましたか?私の好きな男が私の好きな男になっていて混乱しました。(跡部邸前でのわちゃわちゃ氷帝リポート楽しいのにそれどころじゃなくなっちゃった)

 六角公演で思いがけず私の好きな千石清純が存在してしまったので色々思い返してたんだけど、千石が山吹vs不動峰で神尾と試合する時、原作では今日のラッキーカラーは黒とか言ってて、それで神尾の粘りに負けたんだけど、この敗北が千石のテニスにまた火を点けたからラッキーっていうのは間違いではないんだ。4thが描いた山吹、TAISEIくん千石の「今日もテニスができてラッキー!」を思い出してた。この日の敗北がまたひとつ千石清純にとってテニスを諦められなくさせた。今公演での氷帝が吐露する感情もそうだし、オキラクちゃんがリョーマに負け、緑山が青学とテニスで対話して、彼らも諦められなくなった。諦められないって力のない人が持つには苦しすぎる感情だと思うんだけど、彼らには、テニスを諦められなくて、それでもそれをラッキーだって、どうしても嫌いになんてなれなくてまたラケット握ってボール追いかけて、楽しくて大好きになってしまうだけの強さがあるんだよなあ。

 テニミュ4thはずっと青学2本柱制度を推し続けてて、六角でも手塚の大石の共犯関係を当然見せつけてくれて好き。あとボーリングの王子様がないので、大石ボーリング以降性格変わったな、ではなく、青学3年生みんなでリョーマ桃城海堂に発破をかける構図になっててそれも好き。わちゃわちゃにぎやかに歌っておどけて面白いシーンで何度見ても顔が勝手にニコニコしちゃうシーン。

 三浦さんて、その人の不在により存在が浮き彫りになる展開を描ける人だなあと六角公演見て改めて思った。最遊記歌劇伝でも玄奘不在の三蔵一行をガッツリ描いたりしてたし。居ないということの恋しさが存在を証明するんだよな。

 この公演の手塚を持て余すことなく魅力的に存在が浮かび上がる感じが好き。不在により存在がくっきりと浮き彫りになる、居ないことの恋しさが存在を証明する形で手塚国光を登場させつつ、そんな手塚本人も青学のみんなの存在を恋しがってるって、その身の内に青学のみんなの存在があるって事も同時に浮き彫りになっていて良いよなあ。

 今回緑山の描写がきちんとあるので、海堂が乾先輩にダブルスでの借りを返す姿が描かれる、そのあと満を持してのシングルス。ずっとこれが見たかったんですよ私は!!!緑山戦で対戦相手の態度に怒ってる海堂と、実は少しだけ思う所はある乾先輩が良いなあとしみじみ。乾先輩って自分を侮られるのは別に気にしなさそうだけど(単純に有利になるし)、海堂とのダブルスを侮られたからちょっと怒ってるんだよね。でも侮ってる相手ほど御しやすいから良いよ海堂って諌めてる。そして満を持しての海堂S3のときの乾先輩の、海堂は俺が育てた自慢の後輩です!!!みたいなドヤ顔っぽいハツラツな笑顔が好きすぎる。乾先輩、1から10まで全部良い!!!だいすき!!!

 六角公演で聞くOvertake meよかったなあ。氷帝公演で菊丸がTwo as one歌うの好きだったんだけど、4thシーズンという1つのストーリーの中で楽曲でリプライズしていくのが好き。氷帝からの緑山、緑山からの六角、六角からの立海というストーリーの繋がりを感じる公演だ。

 ダビデとバネさんのダブルス曲可愛くて大好きなんだけど、好きな食べ物(いちごチョコパフェスーパーデラックス)が試合の歌になるのかわいい。4thのダビデが呼ぶ「バネさん」って"さん付け"じゃなくて「バネさん」ってあだ名だよね。それは六角全体にも言えるかもしれないけど、4thダビデのそれは余計にそう思う。

 4thのダビデ、我が強くてマイペースで自分の思考にどんどん深く落ちていけるタイプであんまり愛想は良くなくて自分のプレイスタイルが好きで割と好戦的で、バネさんに対しては自分の好きな自分だけのテニスの中にパートナーとして入ることを許してる側だって自覚がありそう。生意気な年下で可愛い。

 3rdと4thのダビデから受ける印象の違いをつらつら考えてたんだけど、4th六角でダビデ氷帝100人斬りを入れた部分もかなり大きいのかも。情報として知ってるのではなくて、実際に肉体を使ってダビデ氷帝100人斬りをやってる、役者は演じるし、観客は目にする、表現が変われば解釈も変わるよなあ。3rdの坂垣ダビデはなんか大型犬の子犬みたいにすごく可愛くてバネさんに愛想良く懐く感じあったけど、4thの栗原ダビデはどちらかと言うと我の強さとか自分の思考の中に深く落ちてく感じとかマイページだけどそれは許されて当然みたいな方を強く感じる。先輩後輩のない横並びの六角感が好き。

 テニミュって普段自分が注目してないキャラに目が行ってふと気がつくみたいな事がよく起こるけど、佐伯と樹ちゃんってあの明るく元気で楽しい六角の中でウェットで重い2人だから波長が合うのかもなあと思ったりした。負けた時の悔しさの発露って人それぞれ違ってて、原作でも樹ちゃんは静かにぼろぼろ泣くんだよね。佐伯は樹ちゃんのそういう所がいいのかも。しばらくコートの真ん中で2人で悔しさをゆっくりと噛み締めてて、忙しなく感情を消化しないところが。

 手塚不二のデュエット見てたら、この二人は適切な距離がある方が素直に相手を想いやれるし傷つけ合わないんだろうなと思った。ルドルフ戦で手塚が不二に怒りを覚え、氷帝戦で不二が手塚に戸惑いと拒絶反応を示した。新テニでは傷つけあった上で物理的距離を置いて適切な距離が定まっていく。六角での手塚と不二の描き方、ルドルフ山吹氷帝を経た地続きの未来に繋がってく関係性の描き方になってて面白いなと思う。手塚と不二はお互いにお互いのことを同族だと思いこんでて、でも実は違ったってことにどんどん気がついていくし、お互いに近すぎて勝手にお互いを同類だと思い込んでいたんだろうな。

 六角公演、すごく繊細に描いてくれてて本当に楽しかった。一番心配してた剣太郎の台詞も見てて安心した。女の子にモテたいというキャラは残しつつ「3年間ブスな女の子に言い寄られる」は変更するし、オジイや仲間がフォローを入れるし。今の時代というか、いつの時代だとしてもおかしくね?っていう最低なセリフや展開が原作にあるとき、それそのものを丸ごと変えてしまうと流石にキャラが変わってしまう場合、キャラの主体性をどこに置くかとか、周囲のキャラはどんな反応を示すのかですごく見え方が変わるってのが実証されたなと思う。バネさんの暴力は蹴ろうとするポーズまででほぼ働かず一度だけ良くない発言をしたパートナーを殴るに留めた(駄目だが)。今までにない繊細な作り方で嬉しいし楽しい。4th六角がこんなに多彩に繊細に描かれたのだから、四天への不安も少しは軽くなるかなと思った。普通だと勘違いして垂れ流されるホモフォビア異性愛規範をキモいなと思ってる老若男女やそこに当てはまらない人、ありとあらゆるセクマイも、普通に生きて飯食って客としてテニミュ見に来てるのをちゃんとわかった上で作って欲しいので。

 六角公演というか青学vs六角feat緑山公演、やりたいことめちゃくちゃある!あれもこれも描きたい!って詰め込んでる感じだし、緑山も氷帝も山吹不動峰も入れて、でもきちんと交通整理はされてて、目が全然足りないけど見たかったものをたくさん見せてもらえてる。本当に盛りだくさんで楽しすぎる。

 テニミュの電子アンケートの今までにご覧になった公演・イベントの欄で、テニミュ4thお披露目会のことを思い出した。お披露目会だからTSCPPみたいな、まだキャラクターになりきれてない子達のおっかなびっくりした受け答えを微笑ましく見守る感じかと思ってたら全然違って、テニミュ4th不動峰は絶対に良いものにするから!期待に答えるから!ってそういう公演だった。それからずっと新しいテニミュが見たいっていう私の最大の欲求を、リアルタイムで叶え続けてもらってる。テニミュってほんとに楽しいなあ。今大阪公演の最中だけど、東京凱旋公演の大千秋楽まで無事に駆け抜けられますように!更にパワーアップした凱旋公演を見られるのを楽しみにしてます。