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私の内包物をつれづれと

3rd山吹の亡霊がテニミュ4th青学vs聖ルドルフ・山吹を見た感想

ミュージカル『テニスの王子様』4thシーズン青学vs聖ルドルフ・山吹を、3rd山吹の亡霊がめちゃくちゃ楽しんだってこと、いつか未来の自分のために記録に残しておく。

テニミュがついにコロナで中止になった。私が見に行った7/13東京公演の翌日からだ。その日のマチソワはものすごく楽しかった。ものすっごく楽しみにしていた東京楽のチケットは払い戻しになった。悲しかった。
これを書いているのが7/27、今日から大阪で公演再開になった。もしかしたらまたすぐ中止になってしまうかもしれないけど、テニミュは絶対に次がある、つながっていくって思いたいから、THE自己満文章を書いている。どうか東京凱旋大千穐楽まで無事に駆け抜けてほしい。
以下東京公演5公演見た中での感想。まとまりがなくて読みにくい。

2022/9/1追記で東京凱旋の感想も一番下に追加したので更に読みにくくなった!

 

しょっぱなから文句言うのあれだけど、4thは全部新曲って言ったじゃん!!!日和るな~!!!って東京初日を見たとき思った。それまでの楽曲に頼らず、4thを初代として全曲新曲で突っ走ってほしかった私は若干ずっこけたし、少しショックも受けた。せっかく全然違うテニミュを描き出そうとしてるんだから初心を貫いて頑張ってほしい。

3rd山吹が好きすぎて成仏しきれない亡霊を長いことやってたので、4th山吹を見たらどうなってしまうのかと若干不安に思っていたけど、私が一番好きで一番思い入れのある3rd山吹と全然全く何もかもが違うからすっごくすんなり大好きになれた。ほんと全然違うの!全然違って全部好きで、みんなかわいくて最高だった!あと虎砲が本物の虎砲ですごかった!!!

4th山吹の地味's、大石へ圧をかける行為としての「やあ」を描いたのとってもいい。派手な菊丸をスルーして大石を集中攻撃して、ペアそのものを崩す契機を探る。でも大石への挑発としての「やあ」なんだから握手や挨拶よりも先に「やあ」があった方がより戦略的だし自然だと思うんだけど、その後の黄金ペアのやり取りとつなげるために前後させちゃったのかな〜ここ変わると個人的に嬉しいんだが。

今まで千石が担いすぎてきた伴爺の台詞を、4thでタカさんと南(あと山吹全体)に分けたの、新しくて面白い試みで良い!大発明!!!なんで今までこの案が出てこなかったの?ってくらいにしっくりくる。そしてその分だけ千石清純がとてもニュートラルに見える。3rd山吹の千石って亜久津の事をあんまり好きじゃないのに一番亜久津と仲は良くて、たくさんの矛盾の感情が渦巻いて、時折顔をのぞかせて、その憧憬にも怒りにも憎悪にも歓喜にも祝福にも似た不可思議な感情の波を見てるのが好きだった。伴爺の台詞を担う事で、千石が亜久津に対していろいろと思う所があるようにゆがみを得たし、南も自ずとチームが勝つ為に受け入れたが完全に受け入れた訳ではない感情の揺れが見えた。4thはそこから解き放たれてて、別の山吹を見せてくれる。

幼少亜久津と白玉さんの場面、あれイマジナリー白玉さんだと思った。同じスポーツやってる年上にも同年代にも恐れられ型に嵌められそうになり結局排除される、亜久津の天才ゆえの居場所のなさ(亜久津を受け入れられる器のなさ)が、テニスだけじゃなく空手でも他の何かでもずっと付き纏ってたし、亜久津は他の天才キャラのifでもある。(金ちゃんなんてリアルに想像できそうなifだ。おスギ婆さんに出会えて、異端の強者を受け入れられる器を持つ四天宝寺テニス部という場所にいられたからこうならなかった。)
亜久津は山吹中が都大会決勝に勝ち上がる事を欠片も疑わない程度にはその強さを信用してて、銀華中に偵察というか遊んでやろう程度には部の対戦校について関心を持ち、山吹は極端に怯える様子もなくフラットに接する。そこを出てしまうけど、山吹もまた亜久津を受け入れられる稀有な器だったんだ。亜久津は別に白玉さんになんの感慨もないだろうし顔も覚えてないかもだけど(だから舞台上でも有象無象として表現されている・原作とは全く違った描写になっている)、嫌になるくらいに似たような経験をして、何にも情熱を抱けなくなった。ずっと周囲から、ギフテッドを扱いきれず持て余されてきた描写があると、山吹では一瞬人間になれたんだろうなと思う。今まで亜久津には有象無象しか居なかった対比として、リョーマが、本気のテニスが、どれだけ鮮烈か、目が眩むほどに眩しいのかわかる。あの暗闇の中の亜久津、夜明け前のかたい蕾みたいで好きだ。リョーマと戦う亜久津への山吹の声援が、期待に胸を躍らせるような表情が、ワクワクと才能の開花を待っている。

銀華中のシーンとイマジナリー白玉さんのシーンがある事で、南が亜久津に緩急をつける提案するのも、それを結果として受け入れるのもすごく納得できる。4thのチャレンジ精神が新しい発見をくれてたのしい!
南が亜久津に緩急をつける提案する前、南と東方と千石が何かを話してて、千石が笑って南の背中を押す。南と千石と東方の3人が、亜久津のテニスのもったいなさを歯がゆく思って、もっと緩急をつけたら亜久津のテニスが活きるのに!って、山吹のチームとしての勝利と同じくらい単純にテニスが好きで惜しんでるのが4thの山吹なんだ。山吹の部長副部長とエースが、亜久津の勝利を願ってるし、進化を待ち望んでて、みんなテニスが好きだなあって思う。
テニスの王子様って誰もがテニスと相思相愛になれるわけじゃないんだけど、それでもみんなテニスが好きになってくからすごい。千石もテニスに片想いしてんのに、相思相愛になれる可能性のある亜久津の背中を押すのがね、片想いでもテニスがしたくてテニスが楽しいんだ。

南の背中を押して亜久津に声をかけさせる千石、良いんだよなあ。喜多の亜久津への態度も、室町が結構熱っぽく「俺まで回してくださいよ、亜久津さん!」って言うのも、4thの山吹の描き方に一貫性が見られて好きだ。千石や檀君だけじゃなくて、山吹全体が亜久津に対して怯えず騒がずフラットに接する。千石、亜久津にフランクに絡んでって突っぱねられるんだけど全然意に介さないのが亜久津にとって良いんだろうな。亜久津って、自分に怯えも逃げもせずそのまんまの状態でそこに居る人に弱いでしょ。千石も檀君もタカさんもリョーマも。
あと亜久津のラケットを押し付けられた千石、これ明確に新テニスの王子様のあの夜につながる。亜久津にテニスを辞めることを許さなかった千石清純、あの夜に、亜久津にテニスへの愛を突きつけて自覚させてテニスに引き留めた夜、今夜は月が綺麗だなあって笑った夜に繋がるよ。ずっと亜久津のラケットを持ち続けて、お前もテニスが好きなくせにって待ってたんだろうな。ラケットをラッキーな男に押し付けたのが運の尽きなのかそれとも幸運な祝福なのか。

4thの千石を初めてみた時、隠すのが上手いのかな?って思ったんだけど、だんだん印象が変わった。笑顔のままでちゃんと悔しがれる千石だった。3rdの千石は悔しくて笑顔になれなくて背を向けて、でもテニスが好きだから笑いたくて、抑え込んでから正面向いて笑顔になったけど、4thは自然に共存するんだ。3rdの案外不器用で追い詰められてる千石清純が好きだったし、テニスへの片想いが苦しそうな所が好きだったけど、4thの笑顔のままできちんと悔しいがそこに在る、テニスへの片想いが染み付いててそれでも今日もテニスが好きだよって謳歌する千石清純も大好きだなあ。
4thの千石の「ラッキー」は良い意味での自己暗示っぽい。試合の中で追い風を自分で起こすためのパフォーマンスであり、鼓舞するためのワード。「強いんじゃない?」をなくしちゃったけど、手塚不二による千石はラッキーなだけではないって台詞が効いてくる。新テニが存在する今『天衣無縫の極み』も『矜持の光』も『同調』も『能力共鳴』も、全て唯一無二でも絶対の勝利条件でもなくなってて、その時その瞬間に、選手に『勝て』と背中を押す力の一つでしかなくて、そうしたら千石のラッキーも、自分の力で追い風を奇跡を起こすための言動に見えてきた。3rdの山吹も新テニスの王子様の未来に繋がる、あの世界が存在する山吹だったけど、4th山吹もめちゃくちゃ新テニの未来が地続きに存在していて楽しくなっちゃうな。信じていい未来が待ってる山吹だよ。

亜久津が楽しそうにテニスをしてて、それを楽しそうに応援してる山吹がいる、こんな未来があるって思ってなかったな!3rd山吹の亡霊の自分だけど、4thのハッピーオーラには笑顔になっちゃう。タカさんがリョーマに勇敢な男だよって歌うけど、タカさんこそが勇敢なんだよ。テニスをどれだけ真剣にやっていても報われない日々がたくさんある。それでもテニスを真正面から好きでそこに想いを注いでいける人はみんな勇敢だ。亜久津、今まで何かに本気で片想いできる程の勇気と情熱をずっと持てずにいたけど、タカさんや檀君や千石やリョーマっていうテニスに対して燃えるように勇敢な男たちに囲まれて、ちょっと火が移ってしまったよね。

今後の公演ではどうなるのかわからないけど、東京公演では、リョーマと千石が「この前はほっといてくれてありがとう」「アンタ強いの?」「強いんじゃない?」のやり取りを、黄金ペアと地味'sダブルス中に後ろでやってた。青年館ホールの一階席前方上手だとバッチリ見えたけど、東京凱旋でまた確認したい。

山吹ベンチで、円陣の音頭取り誰がやるかを決めるのに千石をルーレットにして回すの楽しくて毎回見ちゃう。千石が止まった時に正面にいる人が音頭取りしてて毎回かわいい。あと千石が「さすがうちのNo.1ダブルス地味's!」って言ったあと、ニトキタふたりがNo.1?No.1?俺たちは???って詰め寄ってて、そこにさらに室町も参加してやんややんやしてるのも毎回可愛くて見ちゃう。

順不同にがーっと書いてきたけど、山吹の校歌がめちゃくちゃ好きで、その校歌を亜久津も一緒に歌って踊るという事が4thの山吹の描き方を見るととっても自然で、それもすごく面白い発見だった。

山吹以外だと、ダブルス曲何度聞いてもで新鮮にいいなあ、どのダブルスにも当てはまる。「テニスがなければ交わることのない運命」だし「それでも今ここに一緒にコートに立ってることが全て」だ。

不動峰の歌がめちゃくちゃカッコいいからドリライで峰7人で歌ってほしい!「大胆なチャレンジを嘲笑う奴ら」に「俺たちの不動の心 刮目せよ」って高らかに宣言する不動峰、かっこいいなあ。

観月と乾先輩のコート内外バトルが見られて最高だった。見たかったものが見れた。乾先輩って本当に最高にかっこいいな。

4thの赤澤、すげえ怖い部長で良い。観月のこと敵に回したくない怖いやつって言うけど、その観月と渡り合ってる部長で良い。受け入れることで切り捨てる事になった部員もいるだろう。校歌でセンターで背中合わせになる振り付けで二人の関係性の対等さというか、均衡を感じられてめちゃくちゃ好きだ。3rdではルドルフの赤澤と観月は部長とマネージャーであり共犯者、4thルドルフの赤澤観月は背中合わせの共同経営者って感じが自分の中で強まってきた。背中合わせは3rdの千石亜久津のイメージあったけど(明らかにダブルエース推し、ツートップって感じだった)、4thは赤澤観月だな。

金田いいなあ!このD1は試合前から赤澤が若干気負ってる。コートに向かう途中、テンション高めに声を掛けてくる金田の声も姿も捉えてない赤澤という表現、いつもと違う赤澤の気負いに気がついていて「ばか澤コノヤロウ!」に繋がってくんだな。ダブルス曲でも観月の台詞でも、金田が赤澤の背中を追いかけて来たのがわかるし、その上で誰よりも先に赤澤の変化に気づいて、赤澤が自分で冷静さを取り戻したタイミングでばか澤コノヤロウ!って叫ぶ、金田も結構期を見計らっててクレバーな男だ。

観月がタイム取って試合に水さしつつ乾先輩に挑発しに行くのが好きなんだけど、その時橘さんがその様子をじっと睨むように見てる。こういう観月のやり口が橘さん的には好きじゃないんだろうな。でも負けて「勝たなきゃ意味がないんだ」って喚く観月に橘さんが声をかけるのは、それがお前のテニスなんだろ?って、それなら無様だろうが何だろうが貫いてやり抜けばいいだろってある意味認めてるのかな。結局みんなテニスが好きで、どんなテニスをしててもテニスがしたくてここに居るんだから。

不二と観月のデュエット、観月が自分の声が裕太に届かなくてそれが信じられなくて焦れてるところ、いいんだよな。操ってたつもりだけど、そうじゃないことに気が付き始める。裕太には裕太の意志があり、それを選んでいただけの事で、今声が届かないのもただ裕太の意志がそこにあるだけで変わらない。マリオネットがうまく動かなくて自分勝手に動き出して不安になって不機嫌になって、操るつもりで手にしたそれは蜘蛛の糸だったって絡め取られてから気がつくの、かわいそうでかわいいな。

菊丸、体力が限界に来てるけど目が爛々としててすごかった。よろめいても肩で息してても、目だけは、その闘志だけはギラギラに燃えてて、赤澤をじっと捉え続けてて。充電完了後も体力ゲージが危ういのがわかるし、それでも心は闘志でみなぎって瞳から溢れてる。

初日見てから大石の事を考えてたんだけど、コンテナで菊丸が、このまま前進突っ走るぞ〜全国大会ナンバー1!って叫ぶのを、うんって頷きながら受け止めてる所すごく大石だなと思った。大石って基本受け身で、手塚や菊丸みたいに自分の意思を強く貫くタイプのサポートが得意だし、そうやって約束や誓いを重ねてきたんだな。大石の意思がないとか弱いとかじゃなくて、大切な人の夢や目標に突き進む勢いが自分の力になる、というキャラだよなと改めて感じられて良かった。今までコンテナって黄金ペアふたりで叫んでて、それは黄金ペアの絆を短時間に描く事を可能にしてたけど、今回の描写は大石を丁寧に描いてるように見えた。

公演中止直前の7/13マチソワをしたとき、ちょうど前方ドセンに座れた。照明の光の筋が舞台に降り注いで舞台上の色がものすごく鮮やかで、たった4日ぶりのテニミュなのにすごく新鮮にグッと来て涙が出そうになった。4th不動峰の時、チケット確保していたミュージカルや歌舞伎やライブが中止続きで塞ぎ込んでて、4thテニミュのこの色鮮やかさに胸がいっぱいになったんだよなってことを思い出した。これを書いている7/27から公演が再開して、本当にうれしいんだけど、でもだからこそ、キャストを危険にさらしたくないとも思う。東京公演、ロビーや客席でしゃべらないというたったそれだけの事ができない人がたくさんいるという状況がとても嫌だった。客降りがなくなってよかったと思う。

テニプリパーティで、上島先生が3rd全国立海作ってる時、どこを変えればいいんだ?って悩んでた事や「流れない水は腐る」って話をしてたけど、私は氷帝立海でチャレンジングでいられなくなってしまった3rdが悲しかったから、上島先生に新テニミュをやってもらってテニミュを新しくしたのはすごく良い試みだと思う。上島先生と心のなかで喧嘩しながら散々通いまくってたのでめちゃくちゃ楽しんではいたんだけど。でも、初期校であんなに楽しく色々チャレンジしてたのに氷帝立海で保守的になるのは残念だった。ついつい引き合いに出してしまうんだけど、「伝統と革新が絶えず共存するのが歌舞伎の面白い所」(天日坊パンフより引用)っていうのが本当にそう思うし羨ましさもあって、テニミュと新テニミュには100年続いてもらってそういう存在になってほしい。前に不動峰の感想ブログでも書いたけど、4thシーズンを駆け抜けたら、5thシーズンはまた全然違うテニミュを作ってほしい。

※以下、2022/9/1追記しました!

東京凱旋公演、本当は6公演生で見れる予定だったんだが、中止になったり私が体調の問題で諦めたりで結局前楽のみ生で見れました!プラス大千穐楽配信を見た殴り書き感想を追記!

噂に聞いてた変更点、めちゃくちゃ良い〜!かなりたくさん変更してるけど、裕太の歌・シーン追加はよりストーリーが深まる変化だし、リョーマと千石の強いんじゃない?はふたりが元々東京公演でライトが当たらない場所でやってたのが大々的に登用されたね。好きなシーンだからあると嬉しい!

D1の熱量がすごく上がってて圧倒された〜!特に赤澤金田の歌唱にも熱がこもっててすごかった。キャスト本人達の熱とキャラクターの熱とがグルグルと絡み合ってた。

不二の観月に対する怒りのボルテージが東京公演とは比べ物にならないほど爆上がりしてて「手塚そろそろ試合やりたい?残念だけど今回はキミまでまわりそうにないから」の時の声が低くて笑った!最高だった!

4thの不二と観月のデュエット、裕太にとっての自身の覚醒条件は不二周助でも観月はじめでもないというのが浮き彫りになって好きなんだよな。新テニで、赤也にとっての覚醒条件が立海という支配下でも白石という庇護下でもないのと同じ、必要なステップであっても自分のテニスを覚醒させるものじゃない。

橘さんの言葉、観月にはあんまり刺さらないんだけどいつも赤澤にはめちゃくちゃ刺さってるんだよね。でもすごいわかるのよ、赤澤の部長としての在り方を思うと、橘さんの言葉を赤澤は受け取っちゃうよな。直接観月に届かなくても、赤澤に届いて、そこから観月や他の皆にも届いていく。

亜久津の「ようこそ青学の皆さん」の後に桃城が亜久津に食ってかかろうとするのを乾先輩が腕をバッと伸ばして桃城を庇うように亜久津から遠ざけてて、キャー乾先輩かっこよすぎる!!!ってめちゃくちゃときめいた。最高。

今牧リョーマ、元々東京公演の時から何の心配もなくリョーマだったけど、凱旋で更に盤石かつすごく柔軟に自由に自然にリョーマとして存在してて楽しいな。原作やアニメをトレースするようなリョーマらしさを身にまとわずとも越前リョーマとして在れる。リョーマらしいと感じる仕草ではない行動も、全部リョーマに見せていくようになってて今牧リョーマなんか突き抜けた感じする。

今日、南の部長としての在り方が見えてきてよかったな。都大会ソングのあたりで室町とアイコンタクトして笑ってる時、あ〜めちゃくちゃ部長〜!!!って顔してて最高だった。

亜久津にとってリョーマとの試合は、もう何もかもに失望を先取りしなくても、自分が向き合う事象を信じてみてもいいって生き方に触れた瞬間なんだな。夢中になってみてもいいって。きっともう、少しだけ寂しくない。自分のせいじゃないのにあらかじめ失望しておかなきゃいけないのって寂しいじゃんね。指図を飲み込んで緩急をつけてみたら自分のスピードボールが活きるってわかったのに、緩急をつけるのを忘れるほど夢中になっちゃって、冷静さを失うほど夢中になったのが原因で負けてしまうの、死ぬほど悔しくてでもちょっと楽しいよね。テニス満更じゃないよね。

山吹校歌が大好きなんだけど、亜久津が「失意の風はどこかに消えて雲を泳がした」って歌詩を割り当てられてるの好きなんだよな。未来を示唆してる。リョーマとの試合で、もう失望を先取りしなくても良くなるって。あととにかく明るくてにぎやかで自由気ままで、亜久津という異物が入ってても全然気にしないの。亜久津が何やっても暖簾に腕押しって感じで全然普通の山吹レギュラー陣、強いよな。山吹は疾風怒濤の集いし才能だからね、大好き。

4thの千石清純『この世の女の子ぜんぶ!』よりもテニスへの片想いに身を焦がしてる方が好きそうで、それはある意味でテニミュがもたらしてる歪みの一つなのかもしれないけど、私はテニスへの片想いに身を焦がしてる時の千石清純が好きなので、正直めちゃくちゃ好きなんだよな。

個人的に【亜久津の試合中、山吹モブによる亜久津コールが音声で流れる事になぜ私は違和感を覚えないのか】検証したんだけど、自分にも身に覚えがあるからだった。東京公演の時から自分の運動部時代を思い出させるな〜と思ってたんだけど、個人の好悪と大会時の部活のコールって基本的に切り離されてる。

運動部の応援やコールは慣習であり、例えば嫌いな先輩や後輩等が相手でも機械的に行われる。しないという選択肢は存在しない。だから私は山吹モブの亜久津コールがそのまま亜久津への好意的感情を表すものじゃないと受け止めてた。運動部経験がある人とない人だと感覚違うかもと思った。

山吹モブの亜久津コールに違和感を覚えるってのはたぶんめちゃくちゃ素直に受け止めている人なので、その違和感はたぶん正解なんだろうな。私は斜めに受け止めすぎてる。運動部のコールって学校単位で受け継がれる伝統的な行動様式なのに何であんなに自意識過剰で恥ずかしいんだろう。学生だからかね。

山吹の亜久津への感情、4thはレギュラー陣がかなりフラットに(3rdと比較するとかなり好意的に)受け入れる描き方をしてるけど、非レギュラーは原作同様に亜久津を受け入れられない子達が多いんじゃないかな〜とは思った。個人的にこの解釈は、あの山吹モブの亜久津コール音声の有無で特に変わることはないな。

やっぱりある一定以上の強さがある人だけが、競うことを前提とした部活動のテニスを楽しむことができるんだよ。山吹レギュラー陣が亜久津を割とフラットに受け入れるのは一定以上の強さがあるから。そして強いテニスを愛しているから。

亜久津リョーマ戦の時の山吹の歌詩で「俺たちは待つ俺達のため」「僕に見せてくださいテニスを」って所すごく好き。亜久津のためじゃないんだよ、テニスを愛している自分たちの為に亜久津が亜久津のテニスを愛し始めるのを待ってる。

千石が「さすが山吹No.1ダブルス地味's!」って言ったあと、ニトキタがNo.1?え?俺たちは???って千石に詰め寄るのが東京公演からずっと好きで、自分の強さにプライドがあるんだよな。特に山吹はダブルスが強い学校だから。

3rd山吹の時ニトキタはアクロバティックプレイと片方を集中攻撃して陣形を崩す戦法で、アクロを除けば基本的に地味'sと同じ戦法、山吹の定石を感じたけど、4th山吹はニトキタは妖怪人間で翻弄しまくってて、地味'sは地味に地道に堅実にっていう堅牢のテニスで別の強さなんだよね。楽しいな〜!

千石清純がなぜ桃城と神尾という二年生に2回も負けるのかって、結局はそれでもテニスを愛し続ける男だからなんだよ。負けた事すらラッキーに無理矢理にでも変えて、そこで終われない、足掻いてもがいてテニスと生きるから。亜久津がテニスを辞めるのを許さないくらいに、強いテニスに焦がれてるから。

個人的に、テニミュリョーマが何の意味もなく帽子のつばを触っちゃうの、中の人の手持ち無沙汰感を感じて好きじゃないんだけど(リョーマ本人の手持ち無沙汰感を出すためなら別)今牧リョーマはそういう余計な心配をさせる隙がないな。もうリョーマを4作演じてるんだから当たり前にベテランだ。

今牧リョーマ毎回違うリョーマを生きてるよね。新テニミュ2ndの時に井澤リョーガとの模索の日々が、あの公演だけの在り方として途切れることなく、テニミュの板の上でも毎日違う呼吸をして違う瞬きをして違う仕草をして、それでもリョーマとして納得させる力量が当たり前に備わってて心強い座長だった。

昨日ひさびさにテニミュを生で見られて、今牧リョーマリョーマとしての存在の仕方が、それらしいポーズとしての仕草じゃなくて人間越前リョーマとしての仕草をやってるのが好きだなって感じて、いつだって当代のリョーマは眩しいものだけど今牧リョーマの輝きは目が痛いほどだったよ。幸せだな。

3rd山吹の亡霊だった私ですが、全然違う4th山吹が誕生してくれて、4th山吹のこと大大大好きになってしまったので最高の気分です!ありがとうテニミュ〜!!!めちゃくちゃ元気出た!

4th不動峰、ルドルフ山吹と見てきて、4thは私の見たいものを結構な分量で見せてくれるのがわかったので、過去のシーズンの楽曲を引用するのだけやめてくれたらいいな〜!氷帝戦も新しいものを沢山見せてね!!!