インクルージョンボックス

私の内包物をつれづれと

舞台99 観劇感想

2021年4月10日、博品館劇場にて舞台99 昼公演を観劇。

ここ最近(コロナのせいもあり)観劇のペースが落ちてて何かみたいなあと思いつつ、数ある配信もなかなか手を出せずでいたんだけど、たまたま田中涼星くん初主演というこの舞台の情報が目に入ったのでチケット抽選に申し込んでみたら当選したので見に行ってみました!いろんな舞台で活躍しているので主演舞台はじめてなの意外だなあと思った。涼星くんの舞台はテニミュと孤島の鬼と刀ミュ(葵咲本紀)くらいしか見てなくて久々に見られてうれしかった。

個人的に好みかどうかで言うと好みとは違ったので私はリピートしないけど、刑務所での受刑者たちのコミカルで小気味のいい会話や、歌ありダンスあり殺陣ありのドタバタアクションコメディでたくさん笑わせてもらって楽しかった!劇場にお客さんの笑い声があふれてるのってやっぱり楽しいなあと、コロナ禍での観劇にあらためて感慨深くなった。

 

アクションシーンでお一人だけずば抜けて身軽で身のこなしが全く違うレベルの方がいて目を奪われてしまった〜!あとから来た方の刑務官さん(キャストのお名前は佐藤丈さんかな?)、アクションキレッキレでめちゃめちゃ素敵だった。

田中涼星くん、今回物語に翻弄される役どころだった。純粋で無垢で繊細でいいひとで、都合よく消費されて利用されて奪われる。刑務所に入れられて暗い顔してたのに、その持ち前の純粋さとスター性によって周囲に好かれて笑顔と明るさを取り戻していく。こういうキャラクターってちょっと難しいなと思う。やりすぎるとわざとらしいし、やらなすぎると存在感がなくなる。当然、主人公「神木坂つばさ」という役を演じているのだけど、わざとらしくなく愛されるキャラクターでセンターに立つという難しいことをナチュラルにやってのけるのは本人の資質が近しいところにあるのかなあなんて想像してしまった。

稲垣成弥さん、テニミュぶりでめちゃめちゃ久々に見た。涼星くんと並ぶと二人とも背が高すぎて足が長すぎてビビる。危ない人演じるのがうますぎる。あ、この人ちょっと近寄るのヤバいなって思うような、見てる側を及び腰にさせるヒヤッとさせる人物像をサラッと演じてみせるからすごい。ヤバい人だし怖い人なのにちょっと色っぽくて視線が惹かれてしまうし、でも見ると怖いし。黒澤刑務官のよろしくない人間性と、好きな人に真意が伝わらないもどかしさを、表情や身のこなしでコミカルに演じていて見ていて楽しかった。

以下は、私が個人的に楽しめなかった理由なので、いいこと書いてないです。楽しめた方は読まないほうがいいと思います。

舞台のノリとしては、あんまり深いことを考えさせず楽しくて華やかでテンポのいいエンタメって感じだったんだけど、どうしてもいろんな部分で中途半端にリアルであり、リアリティ(というか配慮かな)に欠ける描写にいちいち私が引っかかってしまって乗り切れなかったのが残念だった。

初犯の暴行事件で起訴されて実刑判決で5年も刑務所入れられるとか、犯罪者が人間のクズでカスでって散々劇中で言われて、物語的にそれを否定しつつも結局主人公は冤罪で犯罪者ではなくて(むしろ被害者)、それで他の受刑者が外に出た主人公のスターとして返り咲く活躍になんの陰りもなく晴れやかに応援していることに彼ら自身の未来としては救いもなければ説得力にも欠けるとか。一応受刑者にも未来はあるよって台詞があるんだけどね。刑務官の受刑者に対する恫喝や暴力やハラスメント行為や、ひいきや物品の横流しとか、受刑者同士での童貞いじりだとか、そういうのがザラザラとして嫌な後味に感じられてしまった。

現実味がないならもっとフィクションに振り切ってくれた方が見やすいし、リアルにするならもっと丁寧にしてほしいなあと思う。人気があった役者が落ち目になって暴行で捕まって復帰するとか、人気の若手俳優が演じるネタとしてちょっとセンシティブすぎて正直あまり笑えない。事件のせいで映画が撮影も公開もできなくなったわけで、きっと向こうの世界のSNSではさぞかし炎上したんだろう。あることない事騒ぎ立てる声だとか、作品と逮捕された俳優は分けるべき論だとか、ファンからの復帰を望む声とかもね、そういう想像を脳裏で勝手にしてしまって純粋に楽しめなかった。現実世界が犯罪者の社会復帰や人権がきちんと守られてる訳でも、被害者の人権が守られてる訳でもないのに、フィクションの中でコメディとして気軽に扱えてしまう感じがモヤモヤして逆に現実に引き戻されてしまってうまく楽しめなかった。

最近は観劇もあまりコンスタントにできてなくて、あまり深く考えないで系コメディ作品のほうがサクッと見れて楽しいかな?なんて思ったけど色々と考えて脳みそグルグルするタイプの作品がやっぱり好きかなと思ったりもした。感想書くのも久々で全然うまくまとまらなかったけど、とりあえず今回は楽しいところも楽しみきれないところもあった。個人的に舞台で見るのがテニミュぶりって感じのキャストが結構たくさんいて懐かしかった。

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