インクルージョンボックス

私の内包物をつれづれと

Endless SHOCK2016 観劇感想

2016年3月2日 Endless SHOCK 帝国劇場
アウトプットができないまま忘れてしまいそうなので感想メモを転記。
支離滅裂で、めちゃくちゃネタバレしまくり。

ぼうぜんとしてる。
夢の煌めきも希望も歓喜も快楽もすべてそこにあって、
反発も拒絶も慟哭も悲鳴も絶望もすべてそこにある、
そこにあって本当の感情で、それがぶつかりあって火花みたい。endless SHOCKこわい。

刀を渡した後のマツザキの絶望と信じたくないって顔と演技で泣きそうになった。
いやだいやだ嘘だって駄々こねるみたいに信じたくない現実を受け入れたくないのが伝わってつらかった。

コウイチの狂気がじわじわとステージに広がってヤラが感染して引きずられて、お願いだから止めてくれって顔と視線で感染源のコウイチを見るのがつらい。
コウイチはヤラに刀を取らせたけどコウイチがその刀を使ったって良かったのに、そうしなかったのはコウイチもヤラに自分の狂気を止めて欲しかったの。

フクダがコウイチをいつも見つめてて目で追ってた。
命綱のワイヤーをフッキングをするたびにコウイチの命に何度も触れるから、命ごと愛してるのかもしれないって思った。
コウイチという柱こそがカンパニーの命そのものという考えでカンパニーを愛してるのかな。

はじめて生で見て、なんか改めてendless SHOCKってコウイチが主役とあるけどカンパニーが主役なんだなって思った。
あと、昔のSHOCKのコウイチは完璧人間として描かれてて、今のSHOCKでは圧倒的スター性もあるがどうしようもなく弱さもある人間として描かれてて、人間味が増した分だけ、ストーリーに悲しみが増している気がした。

劇中劇は映像だと魅力が半減してたんだなってすごい思った。
ヤラの心情の吐露が素晴らしくて、一幕で泣かなかったから二幕も大丈夫とか思ってたのにダーダー涙でた。

光一さんのフライングなんか重力おかしくない?ってくらいフワッと浮いて自在に舞っててすごいな~って思ってたら、リボンフライングとラダーフライングのときめっちゃ力入ってる顔してて、当たり前だけど魔法じゃなくて自力でコントロールしてるんだよな。本当にすごかった。

1幕ラスト、ジャパネスクのコウイチの狂気が舞台中に感染して悲鳴と慟哭と血と炎に包まれて幕を閉じるのすごいよ語彙力ないからすごいしか言えないよ。
ヤラもマツザキもリカもある意味被害者で共犯者。

ヤラの親愛と憧れが嫉妬と憎しみに変わってしまったのはきっとコウイチのそばにいすぎたから。
コウイチとヤラは少し離れた場所にいたほうがきっと、素直に大切にし合えたのかもしれない、互いにプライドが邪魔しなくて。
フクダは多分見返りを求めない親愛で、だからコウイチのそばでも狂わなかった。

双眼鏡持って行ったんだけど、全景でも見たいしアップでも見たくて目が足りなくてしょうがなかった。
SHOCKのキャストひとりひとりがそれぞれいろんな感情があって切り取ったら物語になるくらいなんだもん。
どこを切り取ったって注目したって面白そうなのに目がたりなかった。

2階席正面あたりだったのでラダーフライングのあと光一さんが目の前に降り立ったんだけど、近すぎて訳が分からなくて記憶が飛んでる…。
目なんて合うはずないんだ、コウイチはずっと先を見つめてるから、その視線の先にあるものを見て見たかったけど、それはきっと残されたカンパニーが叶えるんだろうな。

SHOCKの劇中劇というか回想を兼ねたハムレットとリチャード三世すげーよかったよ…また見たい。

SHOCKって円満だったカンパニーの不和、破滅、喪失と転落してそこから再生する少し悲しくてでも前向きな物語に、群舞、殺陣、フライング、イリュージョン、歌、ライティング、劇中劇の古典ストプレなどなど上げきれないくらいの多種多様なエンタメぶち込んで一つになってるのが最高に面白い。
再生したのに元通りじゃないのが切なくて、でも全員が前を向いて希望に向かっていて、悲しみを超えてく力強さが荘厳なくらいの歌声で表現されてて素晴らしかった。

生のエンタメってなんていうか業が深くて、毎公演、何度も同じことが繰り返されるけど、映像を何度も再生するのとは違って、一度たりとも真に同じであることなんてなくて、だからこそ何度も生の絶望や歓喜や生や死がそこにある。
舞台が続く限りコウイチは何度も死に続けるし、ヤラは何度も絶望し続けるし、カンパニーは何度も崩壊し続ける。
何度も繰り返し見に行ってしまう舞台作品ってあるけど、結局は、もしかしたらって期待しながら裏切られるために見に行ってたりする。
SHOCKで言えば、今度こそコウイチが死なずに済んで、ヤラは絶望のどん底に落ちることなく、カンパニーは円満のままにって思いながら、正しく裏切られて打ちのめされるために見に行ってるんだろうと思う。
SHOCKは何度も見に行けるほどチケット取れないけど、見に行けるものなら何度でも見たい。
現実を忘れられる時間、最高の一時だった。

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