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私の内包物をつれづれと

Endless SHOCK 2022 本編 & Eternal 観劇感想

2022年4月9日 Endless SHOCK本編配信と、4月28日 Endless SHOCK Eternalを帝国劇場にて観劇した感想やら何やら。まとまらないので覚書をそのまま投稿、めちゃくちゃ読みにくい。

SHOCK本編、配信でやってくれて本当にありがとう!!!わたしはやっぱりSHOCK本編がめちゃくちゃ好きだということが改めてわかった。

SHOCKはライバル役がコウイチから受けた心の傷がどれほど残酷で痛々しく苦しくて血みどろで、それにスポットライトが当たる様がどれほど美しいかを見に行ってるので、勝利くんのライバル役も何だかんだめちゃくちゃ楽しめてしまった。コウイチが舞台に囚われた狂気の、近くにいたからこそ受けた傷、愛しくて憎らしい傷を見たくて私はSHOCKを見ている。

Eternalでは削られてしまうけど、SHOCK本編は2幕が好きで、特にシェイクスピアのシーンが一番好き。コウイチと一緒にシェイクスピアの芝居をする、ショウリのそんな素朴な叶わない夢が最悪の悪夢になる。絶対に嫌って言っていたシェイクスピアの芝居を、夢の中で諳んじてしまえるほどにコウイチを思って芝居の勉強を怠らずにいたんだ。コウイチのおどろおどろしい声も表情もたまらなく好きだ。それこそがショウリの罪の意識の表れであるところも含めて。

コウイチとショウリ、最後のステージで並んで踊る様が連獅子感あった。親子だよ。元々SHOCKは父殺しなストーリーだけど、コウイチとライバル役に年齢差があると余計にそう見える。ユウマの時が一番ジェネレーションギャップがありすぎるライバル役と思った、心の距離が引き気味で冷めた感じで。ショウリは案外年齢差あっても熱っぽい感じでコウイチに噛み付いてくから。

私の最愛のライバル役はヤラなんだけどタツヤのライバル役も本当に大好きで、ふたりともコウイチから与えられた血みどろの生傷を大事に抱えて、身も世もなく胸の傷を開いて曝け出すような姿がスポットライトで眩しく浮かび上がって、その痛々しさと生々しい真っ赤な傷が好きだったんだなあと思い返した。

ショウリは自分がどれほど傷ついてるのか、本当はそこからまだたくさんの血が流れてカサブタにもなってないのに自分自身では自覚できてなくて、透明な痛みだけが涙と一緒に溢れ出してて、コウイチのせいだからコウイチにそこに居てほしくて、どうしたらいいかわからない迷子みたいだった。かわいそうに。こんなに無色透明な痛みだけが鮮烈なライバル役が存在し得ること、佐藤勝利くんならではなんだろうなあ。

コウイチの命が尽きゆく燃え盛る赤とライバル役の鮮血溢れる真っ赤な傷とが呼応するのがSHOCKなのだと思っていたけど、コウイチの赤々としたいのちの最後の輝きを、ショウリの透明なかなしみと生命力が洗い流していくというのは、今までと違った美しさだった。

SHOCK本編は4種のフライングがすべて見られるのが良い。光一さんのフライング世界一美しいと個人的に勝手に思ってるが、やっぱり世界一美しいよ。寿命が伸びるのでみんな光一さんのフライング見たほうがいい。生まれながらにして飛ぶ能力を持ってる人の飛び方で空を舞うので。

Higherの残酷さが好きだなあ。ショウリがギリギリの精神状態でしがみついて守って来たステージなのに、コウイチが歌い踊りだすと、暗く停滞してた空気が動き出して、感情が動き出して、自然と身体が動き出して高揚感と光で満たされていくステージ。裏腹にどんどん自分の内側に深く落ちていくショウリ。

近年のSHOCKはコウイチの事を完璧超人ではなく、不完全で弱さがありそれを曝け出せない人物像で描いてる。それにより、ライバル役の主義主張は一方的に間違ってる訳じゃないし、妥当性のある主張をしてるのに誰にも理解を示してもらえない、コウイチにも問題があったことが明確になった。個人的に良い流れだなと思うし、ジャニーさんに似てると言われてる光一さんとジャニー喜多川の違いを思う。光一さんはできることならわかって欲しい人なんだよな、と思う。2022年版SHOCK本編、すっごいわかりやすかったから。(個人的にはわかりやすいことが必ずしも良いこととは思わないし、本編もEternalに関しても説明的すぎやしないか?と思う点が多々あるけど、正直何度も通えるほどチケットが取れないので一度見ただけで理解できる範囲を広げるのはいい事ではある)

コウイチがマツザキに、何があってもライバル役に付いていてやってくれって言うたびに(毎年)、お前自身がかけてやれない愛情を他人に託すな!お前がそばに居てやれ!って怒りが湧くんだけど、2022年版SHOCKでは怒りと同時に、自分が一人きりになる予感とショウリにはそうなって欲しくない願いも感じた。

光一さんがインスタライブで、ジャパネスクで武士は死んでも姫が助かったらハッピーエンドだと思うと言ってたけど、つまりハッピーエンドがいかに主観であるかって話だから面白い。私はハッピーエンドは下り坂に差し掛かる前に幸福の絶頂で切り取っただけの虚構だと思ってるので、光一さんのハピエン論も好きだ!

光一さんはSHOCK本編をコウイチにとってのハッピーエンドと思って作ってると感じたし、1000回記念の円盤特典にあったEndless SHOCK Another Storyが私は好きなんだけど、あれは本編がハピエンである事の補強としての作品だと思えた。本編の作中にある、「1幕ラスト暗すぎないか?」「だからジャパネスクがハッピーエンドなんだ」のやり取りはそのままSHOCK本編をなぞってるから、ジャパネスクで武士は死んでも姫が救われたらハッピーエンドだし、コウイチが死んでもカンパニーがみんなの夢を乗せて未来へ進んでいけたらコウイチにとってハッピーエンドなんだ。

SHOCK本編とEternalが続けて見られて、光一さんのハピエン観がインスタライブで語られた今こそ、色んな人にEndless SHOCK Another Storyを見てほしいのに、1000回記念円盤の初回特典だから見てもらいにくくてかなしい。あれも配信してくれないかな?すごい好きなんだけどな。

コウイチは途中でやめられない、立ち止まれない、そういう形の才能が与えられていて、誰ともそれを分かち合わなかった。彼だけの才能の光が、周りを引っ張っていたこと、周りのみんながいて、その才能が水を吸い上げて空に伸びていくように星まで届くまでに駆け抜けていった。分かち合わない事は悪ではないけれど、寂しさや恐ろしさに途方に暮れる自分を許してあげても良かった。そういう自分を許せないことが、自分と自分の愛する人達をどんどん追い詰めてしまったように、部外者である私は身勝手に思う。孤高である才能を愛した人たちは、その追いつけなさに寂しくてきっと同じように途方に暮れた。揺らいだらいけないと思いこんでいるようなコウイチが、命を燃やし尽くすことができて良かった。どこにも行けない、どこかに行かなきゃ、走り続けなきゃ、まだ足りない、そうやって藻掻いて藻掻いて藻掻いて、最後の最後、死ぬ間際の夢の中で、どこにでも行けるのだと、大好きなカンパニーが自分の夢もみんなの夢と一緒に乗せてくれて、あの星のように遠くまで煌々と輝いててゆけるのだと、思いながら死ねたコウイチはすごく幸せそうだ。コウイチだけがもうどこにも行けないけど、未来があるのだと信じながら死ねるのはまさしくハッピーエンドだろう。でも、周りの人間にとってはどうしょうもなく避けられない災厄のような、隕石のような、そういう、はた迷惑な存在なんだよな。SHOCK本編はコウイチが死ぬことで始まっていく物語、その壁を乗り越えて突き進む主人公こそがショウリなんだ。

 

ここから先はEternalの感想。

Endless SHOCK Eternal、見ると本編が見たくてたまらなくなる。やっぱり私はEternalより本編が好きだし、今回本編に寄せようという意図が働いてるのに好きなシーンはカットされ、さらに2幕構成で休憩挟んだのもあって思考に冷却期間が挟まってしまい、余計に本編欲が増してしまった。頑張って本編に寄せても本編にはなり得ないのだし、1幕もので2時間以内におさめたコンパクトなEternalでもよかったんじゃないかなとは思う。答え合わせのスピンオフEternalの説明的で優しいところは良い所だと思うけど、私が求めているのは本編のあの痛々しくて眩しい苦しくて悲しい残酷な命と愛の物語。

ソリタリー前のショウリのメイン曲、今までのライバル曲と同じように、ショウリがそんなやつ必要ない・一緒にやりたくないって言ってた外部のパーカッションのナオキを勝手に連れてきて、彼の意思を無視して一緒にやらせてるコウイチという乱暴な構図は変わらないんだけど、ショウリの中の埋み火のような燻った憤りをよりストレートに出してきたという印象。現実の勝利くんに似合ってる訳ではない新曲を充てがうこと、劇中のショウリに彼の意思を無視した演出の新曲を充てがうこと、その二重写しと、それによってこのもどかしく苦しい燻り感がダイレクトに伝わるわかり易さ、光一さん悪趣味だなあと思う。

ジャパネスク、途中からショウリがもうコウイチを見ながら震えてて、ハラもトラウマになってるし、あまりにもかわいそう。ショウリとハラの悲鳴と慟哭を尻目に変えようもない過去が、血まみれのコウイチが、質量を伴って転がり落ちてくるの控えめに言ってもホラーだよ。

EternalだとHigherが一番好きだな。本編と同じ残酷さがあるから。みんなコウイチという光に集まっていく、あんなに暗く寂しかった劇場にあっという間に歓喜が灯り、音と身体が躍動して笑顔が溢れてく。(5/7夜公演からHigherの演出が変わったそうだ。私はEternalより本編が好きで、そんな私がEternalの中だと本編と同じ残酷さのあるHigherが一番好きだったので、『ショウリがHigherのセンターを踊る』という美しく優しく夢のある演出への変更は、本来もっと早く、最初からそうであるべき姿の様にも思える。というか、私みたいな、Eternalより本編が好きな人間が、Eternalの中で"本編の通りに残酷に思えて好き"なシーンってのは、つまりEternalとしては何か違うシーンだって事だもん。やっとある意味でEternalとしてあるべき姿を描けたというのは、勝利くんがそれにふさわしいという事でもあるんだろうな。)

あとリカの満面の笑みでのNewYorkDreamが、叶わなかった夢のあまりの素朴な美しさでウルウルする。

光一さんのインスタで、実はネックレスが皆からではなくリカからの贈り物で、その好意にも気づいていたってあったけど、リカの思いを知りつつ有耶無耶にし続けたのは、立ち止まることを拒否した、変化を拒絶したことの象徴なのかな。そうすると、本編でコウイチリカにナイフで刺されることで自分の死という変化を受け入れる構図はぐるりと繋がってくる。

綺咲愛里さんのリカすっごいな。ダンスがキレキレだし華やかで、男性陣と同じ振り付けで群舞踊ってるときが特にわかりやすいけど、あれだけ華奢なのに振りが大きくてボリュームでも見劣り全然しない。

前田美波里さん、お召し替えするたび美しくてため息出るね。黒のオーナー服も白の2種類のドレスも着物も、とても艶やかで内側から光って見える。

松崎くん本当に良い、ピンクっぽい髪色似合ってたな。ダンスの時も芝居の時もいつでも身体が自由自在にマツでいる感じが好き。SHOCKにふぉ〜ゆ〜がいてくれることの安心感は何物にも代え難いよ。コウイチが何も説明せずにマツにショウリを託してしまう、そのクッソ甘えた乱暴なワガママは、マツが優しくてイイヤツで頼ってもいいと、任せたら任せろ!って言ってくれるヤツだからなんだよな〜って、あの自由自在な松崎くんの身体から伝わってくる気がする。

 

なんかうまくまとまらずで感想メモそのまんまだけど、とりあえずUP。また本編の配信を見るのでサイレント修正するかもしれないし、しないかもしれない。

佐藤勝利くんのライバル役、綺咲愛里さんのリカ役とってもとっても素敵で楽しかったので是非とも続投をして欲しい!(上田竜也くん梅田彩佳さんのめちゃくちゃコンビも良くて続いてくれて嬉しかった)あと原嘉孝くんね、初めてのSHOCKなのにすでにSHOCK何年目?という貫禄があって最高だったのでまたお願いします。ふぉ〜ゆ〜もいつも最高、いつもありがとう。このメンバーのSHOCK本編が、生で見られたら良いのになあ!