インクルージョンボックス

私の内包物をつれづれと

孤島の鬼 観劇感想

2017年2月5日、赤坂レッドシアターで「孤島の鬼-咲きにほふ花は炎のやうに-」をマチソワで観劇してきました!
江戸川乱歩の世界観はきっと難しいだろうと思って、原作をある程度読んでから行ったら、ものすごく楽しめて良かった。
美しい人間の醜さと、醜いとされる人間の美しさがぐちゃぐちゃに入り乱れて、美しいとはどういうことなのかと考えさせられた。
過去の箕浦と、現在の箕浦である「私」を別のキャストが演じることで、より物語の解釈の自由度が広がっているように感じた。
ちょっと検索するだけでいろんな方のいろんな感想が飛び交っていて、本当におもしろい!
全く思いもよらない角度からの考察読むのがめちゃくちゃおもしろくて、同じものを見ていても、全く違うものを見ている。
見る人の数だけ様々な解釈を生み出す化け物みたいな舞台だ。
以下、まとまり切ってない感想。

(12日の前楽も観劇し、また違う感想も生まれてしまって、5日の感想の後に追記しました)

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We are KinKi Kids Dome Concert 2016-2017 TSUYOSHI & YOU & KOICHI 行ってきました

コンサートタイトルが長い(笑)

今回アリーナツアーが全部落選し、仕事の都合もつかず、12月23日の東京ドーム1回しか参加できませんでしたが、もう脳みそとろけるくらい楽しくて衝撃的で幸福なひとときでした。

12月23日はお昼にテニミュ3rdシーズン六角公演を見ていて、爽やかでフレッシュな汗のきらきらが美しいね、なんて感じていて。そのあとのKinKiコンですよ。もうだめ。KinKiさんのあの色気はダメ。もうクラクラ。同じ汗でもテニミュはレモン水で、KinKiさんは劇薬だとわかっていても舐めてみたい満開の花の蜜、口にしたら死ぬやつ。ありがとうございました合掌。

以下、理性を失った感想。

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舞台「口紅」 観劇感想

2016年11月14日、赤坂レッドシアターで舞台「口紅」を見てきました
先日見た舞台が相性が悪く、今回またストレートプレイだしどうかなと不安だったけど、良い意味で大幅に裏切られてものすごい衝撃を受ける作品だった。
見ていて正直ものすごくしんどかった。また見たいと思った次の瞬間にもう絶対二度と見たくないとも思う作品だった。誉め言葉です。

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おおばかもの~おおばかものだけど、わるいやつらではない~ 観劇感想

2016年10月28日、おおばかもの~おおばかものだけど、わるいやつらではない~を観劇してきました。
なんともモヤっとする舞台で、舞台をよく見に行ってる友人には会うたびに愚痴ってしまったんだけど、ひとりで見に行くとアウトプットが上手いことできないので吐き出します。
まず大前提として私が小劇場系の舞台よりもエンタメ性の強いミュージカル作品の方が好きなので好みとずれてたってのがありますので、ご覧になって純粋に楽しめた方には不快な感想だと思います。

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秀山祭九月大歌舞伎 観劇

2015年9月6日、歌舞伎座にて秀山祭九月大歌舞伎を観劇してきました!
念願の玉さま!坂東玉三郎さまを生で見てきました!
夜公演の演目は通し狂言 伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)。

一生に一度は坂東玉三郎氏を生で見たほうがよいとおすすめされてから早何年。
いつもながらミーハー根性丸出しで、完全に玉さま目的での観劇でイヤホンガイド頼りで見に行ったものの、演目の先代萩は伊達家のお家騒動の話で、以前、市川海老蔵氏の伊達の十役を見ていたので予習する時間なかったけどわかりやすかった。

先代萩は、当時流行した伊達家お家騒動のいくつもの作品のいいとこどりをした作品ということで幕ごとに演出がガラッと変わっておもしろかった。
演出どころかキャラクター設定まで変わってしまうあたりは歌舞伎らしさということでってイヤホンガイドの解説員の方がさらっと流しやがって笑った。
時代や指向性によってキャラ付けも変わるんだなあ。
悪役の仁木弾正は伊達の十役で見た妖術使いのイメージが強くて、先代萩でも最初は妖術使いとして登場するのに、幕が変わると妖術?なんですかそれ?ぐらいの感じになっててイヤホンガイドなかったら置いてかれてた。

坂東玉三郎さまの乳人政岡、本当に素敵だった。
政岡が高潔で情が深く、かなしくて美しい女性なのは知っていたけれど、本当に素晴らしかった。
政岡は顔立ちが美しいという意味ではなく、その気高い心と情の深さ、教養の深さを感じさせる所作の綺麗さから人としての美しさが伝わってくる。
玉三郎さんが舞台にいると、いい意味でキンと舞台上が張りつめるなと感じた。
だけど玉三郎さんだけが立っているわけでなく、一緒のシーンが多い八汐役の歌六さんと沖の井役の菊之助さんもピリッとしていい緊張感、均衡があって目が離せなかった。

子役がすごく良くて、若君鶴千代と政岡の子の千松がかわいらしくて真摯でいじらしい。
お家騒動の中、毒を盛られることを回避するために政岡が茶器でこっそりと作る1日1回の食事以外食べられず、ひもじいのにもかかわらず、幼いながらも自分の立場をしっかりと理解して我慢する2人にグッとくる。
毒見役を理解している千松も、命を狙われる立場でそのために乳人政岡が苦心していることを理解している鶴千代も
2人ともまだひどく幼いのに、わがままを言わず我慢することを是として生きているのが切ない。

政岡の子の千松が鶴千代を守るために毒入り菓子を自ら食べ、毒入り菓子だったことがばれないように八汐に嬲り殺されるのを目の前で見せられながらも毅然と鶴千代を守る政岡が、もう張りつめた糸が切れてしまいそうなギリギリの演技。
難を切り抜けた後、抜け殻のように呆然とし、我に返り、徐々に千松の死を、絶望を理解しはじめる姿。
無残な亡骸になった息子に縋り付いて、よくやったよくやったと褒めて、でもそれは虚勢でしかなくて。
主君への忠義ゆえに愛情とは裏腹に厳しくしてきた息子をこんな形で失わなければならなくて、無理にかためていた虚勢もボロボロになって身も世もなく取り乱して泣く政岡が本当に悲しくて、涙が出た。
それまでのシーンで若君鶴千代と息子千松をどれだけ慈しんでいたか、厳しくも愛情深く育てていたかがしっかりと描かれていた分、本当に辛くて切なかった。

仁木弾正と荒獅子男之助との幕は、仁木弾正の不気味な悪役としての存在感がすごかった。
3階席で花道は途中までしか見えなかったけど、花道を通って姿を消していく弾正の影がだんだんと大きくなっていく演出がよかった。
妖術使いの得体の知れない恐ろしさがじわじわと不安をあおる感じだった。
でも次の幕では妖術使いなにそれ美味しいの?って感じになっててズコーってなったけど。
伊達の十役で見た大ネズミに化けてドンチャン大立ち回りな感じだとあまりに快活すぎて作品の流れぶった切っちゃう感あるからこれでよかったんだろうけどね。

とにもかくにも坂東玉三郎さま素晴らしすぎて何とかしてまた生で見る機会を作りたい!

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