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ビリー・エリオット 〜リトル・ダンサー〜 観劇感想

2017年8月11日、赤坂ACTシアターにてミュージカル ビリーエリオット昼公演を観劇してきました!以下ネタバレ感想です。

もう本当に楽しくて熱くて最高だった!
ビリーエリオット2014年のロンドン公演をWOWOWで録画してたから先日見てて、面白かったからめっちゃ期待して見に来たんだけど、すごく良かった。生の演劇の力ってすごい。見ていて脳みそが喜んでるって感じで楽しい!期待してた以上におもしろかった!

上手くまとまった感想なんて書けないから、とにかく好きな所を羅列!

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M5のExpressing Yourself、マイケルがノリノリで女装して楽しんでるのも、それにドン引きしつつだんだん一緒に楽しんじゃうビリーもかわいかった。
この歌を聞いて、この子たちはすごく優しくて、内にくすぶる不満さえも尖り切ったものでなくやわらかいのだと思った。炭鉱夫である周りの大人たちを否定したいわけじゃなくて、自分のやりたいことをやってみたいだけ。炭鉱夫がやりたいなら炭鉱夫になっちゃえばいい、女の子のかわいい服が好きなら男だって女だって誰だって着ちゃえばいい、放っておいて欲しいだけなんだなって。純粋に自分のやりたいことをやらせて欲しいだけで、他の誰のことだって否定したりしてない。
色鮮やかなワンピースやスカートと一緒にパレードみたいに踊って歌って楽しくてキラキラして、誰のことも傷つけない優しいナンバーだなって思った。

M8のAngry Dance、叫びながらのタップダンスを見ていて泣きそうになった。ビリーが内に秘めていた熱量が、絶望と悲しみと怒りによって解き放たれるのが悲しいし、同時にダンサーに必要な自己を見つめて表現するということが、こんな形でできるようになってしまうのが悲しかった。ビリーはもうダンサーなんだ、隠れていられないくらいに。バレエによって自己表現の喜びを知った分だけ、それを否定されて可能性の道が絶たれた悲しみと絶望が、嘆きが、叫びになって、うまく表に出せずに熱が渦巻いて、暴走するみたいに手足が動いてしまう荒々しいダンス。もどかしい、苦しいと訴えかける身も世もない感じが見ていてとても胸が苦しかった。あと、ビリーが慟哭する場面と炭鉱夫・警官隊の争う場面が舞台上で交錯してるのが舞台ならではの見せ方でおもしろい。

M13のElectricity、このダンスと歌がすごく好き。自分の中の抑えきれない感情が熱量が、バレエを通じて燃えて電気に変わる。しがらみから解き放たれて自由になる。地上からふわりと浮かび上がって飛び立つ。伸び伸びと自由に隠しきれない煌めきがあふれるような感じが良かった。これがウィルキンソン先生が言った「内なる原始人」を解き放つということなのかなって。
炭鉱の町でくすぶっていたビリーという小さな埋火が大きな炎になって、その炎が電気に変わって、はじけて、未来が開いていく。ビリーが本来の自分になっていくのが歌とダンスで伝わってくる。素直な言葉で形作られた日本語訳の美しさも良いなあと思った。
Electricityのダンスは5人のビリー全員が異なるダンスになっているそう。彼らはビリーを演じるというより、彼ら自身がビリーになっているから、当然みんな違う振付になるよなあとも思った。
11日昼公演のビリーは前田晴翔くん。ヒップホップが得意でクラシックバレエは未経験だそうだけど、身体能力がすごい!体の中にもともと音が鳴ってるみたいにダンスする。見てて本当にワクワクした。もう才能が隠しきれない星だし磨いたら磨いただけ光る原石って感じ。
少しぎこちないピルエットも、得意分野って感じのバク転やブレイクダンスも、うまく言葉に出来ないけどキラキラしてて目が離せなかった。ちょっとハプニングもあったけど、彼が動揺を見せずに全力でやり切っていたので私はずっと物語に集中していられてよかった。

M3のGrandma's Song、おばあちゃんが死んだおじいちゃんの事ろくでなしだなあと思いつつ酩酊の中みたいにすべて忘れて好きでいたふわふわとした感情がとてもかわいかった。ツイッターでも見かけたんだけどElectricityを聞いた後に思い返すと、おじいちゃんは風力発電(空気)と水力発電(水)と太陽光発電(光)で、ビリーは火力発電(燃える)だったから、ビリーはおじいちゃん似なのかもしれない。

M2のShine!、ウィルキンソン先生の輝け!って歌がずっと頭の中をクルクル回る。下手でもデブでもガリでもなんでもいい、とにかくキラキラと輝けばそれでいい!っていう勢いと前向きさと力押しで自己表現の自由を主張するの、先生はきっと理解されない苦しみを知ってる人。明るくて楽しい楽曲のようで諦めてしまった大人の悲しみを感じざるを得なくて切なくなった。子どもたちに輝け!って歌うのに、行動は逆で、私を輝かせなさいってなってるのが悲しい。

時代遅れになっていく炭鉱の町でたったひとつの希望になっていくビリーは間違いなく色鮮やかに輝く主人公なんだけど、時代背景からただよう閉塞感、明るくはない未来が訪れる町に取り残される人々を思うと切ない。
この滅びゆく炭鉱の町に残されたマイケル。ビリーと一緒にExpressing Yourselfを歌った彼がこれからどうなるのか、ビリーエリオットのラストでビリーからマイケルに主人公が切り替わるのかなと思った。

ビリーエリオット本当に楽しかった。また絶対見に行く!前田くんのビリーの記憶が新鮮なうちに、他の4人のビリーも見てみたい。

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