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Endless SHOCK Eternal 2023 観劇感想(Wキャスト佐藤勝利/前田美波里)

2023年4月27日、帝国劇場にてEndless SHOCK Eternal(Wキャスト:佐藤勝利前田美波里)を観劇。

SHOCK見るときいつも思うんだけど、客席でオーケストラピットからオケが高鳴るのを聞きながら自分の胸も心も一緒に高鳴ってくのが、劇場の一部になったような、もしくは劇場に住みついた亡霊になったような感じがして大好きだ。

今年のSHOCK、光一さんが本編とEternalの同時上演&ダブルキャストなんてことをするから4種類全部見たすぎてどうしようもないのに1公演しか取れず……。いつもなら1公演取れたら万々歳なのに全部見たい欲が溢れてしまってこの野郎〜!ぜんぶ光一さんのせいです。

Eternalも良いんだけどやっぱり本編が見たすぎる〜!!!となった。Eternal優しいんだもん、本編の残酷物語を見てえ……になる。でも前回見れなかったHigherの新演出バージョンを見られて嬉しかった。(これは去年の感想→https://inclusionbox.hatenablog.com/entry/2022/05/05/115946

新演出バージョンのHigher、もうこれEternalで一番良いシーンだと思う。個人的にHigherは本来本編で最も残酷なシーンだと思ってて、その残酷さが好きだった。ライバル役がどう足掻いたって届かない憧れの光が、自分の過ちの象徴が、そんな想いをまるで慮らずにいつもの調子で手を差し伸べてくる、こっちに来い一緒に踊ろうと。戸惑い痛みに耐えながら耐えきれずに逃げてしまうライバル役をよそに、仲間たちは光に吸い寄せられるようにコウイチの元へ誘われ、共にまばゆく光り輝きながら笑ってダンスする。光と影、ふたりの心が交わらない断絶のシーン。それがEternalではふたりの心が交わる夢のような希望あふれるシーンになる。本編とEternalではHigherのシーンの意味がきれいに反転する。面白いなあ、これ去年公演期間中にいきなり思いついて変更になったとは思えないほど"正しい"シーンになってる。Eternalは本編の3年後に過去を回想し、その時の想いや夢を具現化してみんながコウイチの呪縛から解き放たれる成仏するためのストーリーだから、このHigherの方が今までのバージョンよりめちゃくちゃ正しく見える。光一さんが去年演じながらこのビジョンが見えて即変更したのもうなずけるシーンだった。ショウリがコウイチを通して光一さんに見せたビジョンなのかもしれない。

SHOCK見た人の感想でちょいちょいストーリーがないってのを見かける時あるんだけど、ショー要素が多いミュージカルだし不可思議なシーンがあるのは確かなんだけどストーリーはあるんだ〜弁明させてくれって気持ちになりつつ、でもその人にとってはその感想が正解だから何も言えねえ……になる。ここ数年のSHOCKは無粋なくらい説明過多だと個人的には思うけど、ちょいちょいストーリーがないって感想が見かけるくらいだからもしかしたらこれでも足りないのかもしれなくて難しい。チケット取れないしそう何度も見れるわけじゃない作品でのわかりやすさはある程度必要だし。

父殺しの物語で殺される父の方が主役で死んだのにいつまで経っても出ずっぱりなので、SHOCKって変なストーリーではある。主人公交代の話なのに交代せずに死人がずっとそこにいるからな。何度も言ってるけど私はライバル役がSHOCKにおける本来の主役と思ってる、殺す側なので。

光一さんがインスタに書いてる、Endless SHOCKのこの裏設定好きなんだ。カンパニーの主要メンバーは、オーナーの実の娘のリカ以外はみんなオーナーに引き取られた孤児で、幼なじみのように兄弟のように育ってきたってやつ。これ毎回パンフレットとかに載せておいてもいい設定だよなあと思う。

https://www.instagram.com/p/Cr2g2F_LcgP/?igshid=NTc4MTIwNjQ2YQ==