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超進化ステージ デジモンアドベンチャーtri. 観劇感想

2017年8月11日、超進化ステージ デジモンアドベンチャーtri.Zeppブルーシアター六本木にて観劇してきました!

デジモンリアルタイム世代なので、不安と期待でぐるぐるでしたが、結果見に行って本当によかったと思えた作品。以下ネタバレ感想です。

 

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子供のころ大好きでずっと見ていたデジモンが、こうして舞台になって見ることができると思ってなくて、正直なところ好きだった作品だからこそ舞台化は不安だったが、自分の知ってるデジモンのまんまで、びっくりして嬉しくて泣きそうになった。

デジモン達(等身大のぬいぐるみのようなパペットのような)を動かす役者さん達がものすごくいい。あの方々はデジモンをリアルに感情豊かに動かしつつ、自分もシンクロして演技してる。だからデジモンと選ばれし子供達が、生き生きと言葉を交わしあって笑いあってふざけ合ってじゃれ合って、目を合わせて楽しそうに寄り添いあってるのがわかる。あと進化が最高にかっこいい。アグモンがグレイモンに、ウォーグレイモンに進化して、最後にオメガモン。最高に胸が熱くなった!

自分がもういい大人になったからこそだけど、デジモンのノスタルジーに涙腺がゆるんだ。選ばれし子供達の物語なのに、自分が通ったことのあるような悩みや葛藤に重ね合わせることが出来るからグッと来てしまう。太一やヤマトたちみんな少し大人になって、かつてデジタルワールドを冒険した時の、子供だったからこそまっすぐに突っ走れたあの頃の自分をまぶしく思う。未来に進んでいくために迷うことに、いらだちや失望を抱いてしまう。あの頃の自分だったらと。でも迷ったり立ち止まったりすることは決して退化ではなく、アグモンが言ったように進化で、思慮深く優しい強さを身につけ始めたということ。新しい強さがまだなじまないから違和感を感じてしまうだけなんだと、そうやって気づいてまた前に進みだす彼らを見て、嬉しかった。

選ばれし子供達とパートナーデジモンの関係性がすごく良かった。デジモン達はみんないつもパートナーに寄り添ってて、何を感じているのかを受け取ろうとしていて、なんだって受け入れる。すべてを肯定してみせる。人間とデジモンだから100%理解できるわけではないのかもしれないけど、理解とは別の肯定を示し続けてくれる。そうだ、デジモンはそういう存在だったって思いだした。

リアルタイムでデジモンを見ていたころ、一番初代のデジモンアドベンチャーが好きで02は続編だから見てはいたものの、すごく好きというところまではいかなかった。02の劇場版ディアボロモンの逆襲を見て、それ以降のデジモン作品をほとんど見なくなった。私にとってオメガモンの敗北があまりに衝撃で受け入れられなかった。自分はデジモンという作品から選ばれなくなってしまったと気づいて、それがあまりに悲しくて、見ていられなくなった。

今回舞台を見て、当時デジモンを見てて空が苦手だったのを思い出した。みんなのお母さんみたいにしてて、それが当然みたいな顔してて、愛したがりで。舞台にいた空は初めて見るはずなのにやっぱりあの頃苦手だと思った知ってる空だった。愛することで誰かを支えることで、自分の存在を保ってる不器用でかわいい女の子だった。

舞台デジモンを見て、大人になることで見え方が変わってくることってあるんだと、改めて感じた。今ならかつて見ることをやめてしまったデジモン作品も違う気持ちで見られるかもしれないと思えた。当時の胸のもやもやが舞台で晴らされるなんて思ってなかったから嬉しすぎた。デジモンtri.映画見てなかったけど、舞台がとても良かったから見てみよう思う。