読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

インクルージョンボックス

私の内包物をつれづれと

八月納涼歌舞伎、第一部

2015年8月22日、ひっさびさに歌舞伎座で観劇!もう2年ぶり…もっとコンスタントに見に行きたいなあ。
八月納涼歌舞伎、第一部と第二部をぶっ続け。よく舞台を見る友人はマチネとソワレぶっ続けて見てたりするけど初めてやりました。
夏の歌舞伎は昼夜二部構成じゃなくて三部構成だったりするので短くて気軽。おしりにも優しいぜ~と思ってチケットポチポチしたら、うっかり一部も二部も取れてしまったので両方見ました。もったいないお化け出るのでね。
第一部の1つ目は「おちくぼ物語」
おちくぼの君は中村七之助さん!美しかった~!
話は簡単に言うと日本版シンデレラ。継母や異母妹にいじめられる薄幸のお姫様は、屋敷の中でも日当たりの悪い落ちくぼんだ部屋に住まわされ、おちくぼの君と呼ばれ、召使のように縫物をさせられてる。
美しいと評判だった亡き実母の生き写しのおちくぼの君はそりゃあ継母さんとうまくいくはずもなく、お父さんも継母の態度を見て見ぬふりで助けてはくれず(しかも前妻との思い出の笛をいまだに大事にしてよく演奏するもんだから余計に質が悪い)、本来明るい性格だったのに口癖は「お許しあそばせ」になってしまうほど。その「お許しあそばせ」がまた鼻につくっつっていじめられる悪循環。
唯一の味方である侍女夫婦が取り持って、都で一番の貴公子、左近少将と結ばれるんだけど、中村隼人さん演じるこの左近少々のキャラがなかなか良かった。
登場するや否や、もうキラッキラなんだ。立ち振る舞いもしゃべり方も古き良き時代の少女漫画の王子様かよってくらいなキラッキラ具合。思わずかゆくなりそうなシーンの満載でそれをやりすぎなくらい大真面目にやるからいい意味で笑えるシーンになってる。思わせぶりに近づいたと思ったら、蚊が、とか言いながらペチってしたりね。「憎い奴め、姫の血を吸いおって…」とかくそ真面目に言う貴公子ね。
左近少将はいわゆるプレイボーイなんだけど実は一途なんだって言う割りにやっぱりプレイボーイだろお前wな感じだったりするのも面白い。継母は実はこの左近少将を実の娘と結婚させようとしてたんだけど、左近少将は自分のいとこを呼び寄せて、お前太った女と痩せた女どっちが好きだ?とか聞いて、お前好みの女譲ってやるよとか手引きして、自分はうまいことおちくぼの君とくっついちゃったわけで、策士じゃねーかこの野郎とか思ったり。
侍女夫婦がまたいいキャラ。旦那は左近少将の、奥さんはおちくぼの君の味方的立ち位置で、奥さんは都一のプレイボーイなんぞに大事な姫様をくれてやるなんで断固反対って感じだったのに、今ふたりはしっぽりやってるからwいい感じだからwって言われて姫様を助けなきゃ!って部屋に向かったと思ったら、「左近少将は男の中の男よ、姫様は幸せ者だわ…」みたいなこと言って帰ってくるwオイオイそれでいいのかよって思いつつ、軽いノリが小気味いい感じ。
継母が計画していた実の娘の縁談がめちゃくちゃになって怒り心頭。自分の兄(飲んだくれのヒモニート)とおちくぼの君を結婚させようと兄の住まいに閉じ込める。その兄貴は兄貴で美人の姫と結婚できるとノリノリで、気絶した姫に無理やり酒を飲ませるんだけど、実はおちくぼの君は酒乱だったので、酒に酔って、結婚を迫ってくるヒモニートをちぎっては投げ、意地悪な継母や異母妹をちぎっては投げ、迫りくる追手をちぎっては投げ。
そこに左近少将がやってきて我に返る姫(かわいい)。結婚しましょう、わが家へ参りましょうってなるんだけど、酒はやめておきましょうねって言う左近少将がなんとも尻に敷かれそうな感じでいい。
最後、こんなの絶対許さない!キー!!!ってなってる継母におちくぼの君は「お許しあそばせ」って言いました。チャンチャン!
作中で左近少将も指摘してたんだけど、おちくぼの君って陰陽併せ持つというか、元々の明るい性格とおちくぼと呼ばれて引きこもってる暗い性格と両方があって、片方だけじゃなくその両方が良いんだよって言うんだけど、その両方の表現が七之助さん抜群にうまくて。ぼそぼそと哀れがましく許しを乞うてばかりの姫も、キャラキャラ笑いながら割と辛辣なこと言っちゃう姫も、酒乱な姫も全部姫で、そのギャップがうまいこと演じ分けられてて見ていて飽きなかった。中村隼人さんは初めて拝見したけども、ものすごいハンサム。まさしく貴公子!って言う感じで、七之助さんとの2ショットが非常に目の保養になった。どの役もキャラがめちゃくちゃ立ってて初心者にもやさしい楽しい作品だった。
第一部2つ目は「棒しばり」
これは以前も見たことがあるんだけど、酒好き従者2人が主人の留守にダメだって言われてんのに酒飲みまくって歌って踊ってどんちゃん騒ぎって言う内容。太郎冠者はうしろ手に、次郎冠者は両手を棒に縛られて、どうやって酒飲もうか試行錯誤してるところも面白いし、シラフの状態からだんだん酔っ払ってきてどんどん調子乗っていく感じ、演技とは思えない面白さ。中村勘九郎さん大好きなんだけど、勘九郎さんの次郎冠者ほんとうに大好きでまた機会を作って見たい作品。
棒しばりは何度見てもただただ楽しくて陽気で見ていて思わず笑ってしまう!以前にも書いたけど、やってることはめちゃくちゃ高度なことなのに、その大変さを感じさせずに面白さや楽しさをストレートに感じさせてくれるのが良い。プロの生み出すエンターテイメントってただただすごい。感想はおもしろかった!ただそれだけでいいんだよね。
うわー苦しそうとか、こんなに大変な思いしてやってるんだからみたいな変な付加価値による感動!みたいなのじゃなくて、そういう余計なことなしに魅了させてくれるのが最高に好き。たのしい、だいすき、ありがとう!だけでいいんだなあって思う作品。
てかだらだら書いてたらめちゃくちゃ長くなった…。

f:id:inclusionbox:20170106230724j:plain