インクルージョンボックス

私の内包物をつれづれと

芸術祭十月大歌舞伎 観劇

本日、芸術祭十月大歌舞伎の夜公演を観劇してきた!
松本幸四郎さんマジカッコよすぎて震えた。登場した瞬間の、舞台を一瞬にして覆い尽くすような存在感。圧倒された。
 第一幕は曽我綉侠御所染。幸四郎さんは本当にちょっとしか出てこない脇役だったんだけど、その存在感たるやもう、出てきた瞬間に拍手喝さい!
なによりあの声が素晴らしいよ。役者さんって演技力も大事だけど、声って才能だから。耳があらがえない声って、もうどうしようもない。素敵。
話の内容はよくある愛憎ものというか、痴情の縺れなんだけど、歌舞伎って惨殺シーンも美を求めるから、悲しいのに美しくてやっぱり残酷。
でもこの主人公、五郎蔵のゲスさがひどかったw自分の女房守りきれずに遊女に落としておきながら、旧主君のために金用意させるとかw女房は女房で金を用意するために自分を懸想してくれてる男との取引を受け入れて離縁状をかかされて、でも当の旦那は裏切りやがってとか逆上して女房を殺そうとして、間違って主君の女を殺しちゃって・・・とかヒドイ男過ぎてびっくりしたw
でも歌舞伎ってこういう理不尽な人結構いるよなー。
勘違いで殺された遊女がとてもかわいそうなんだけど、その生首が最後シュールな笑いを誘ってた。
真相を知った後の五郎蔵が自害するシーン、本当はシリアスなんだけど、腹切手からの展開が超展開過ぎておなかいたいwwwってなった。
女房が旦那の家のドアを体当たりでぶち壊して家に突入するあたりからもうおかしくて笑ってしまった。旦那が切腹してるから女房も、じゃあ私も!って腹掻っ捌いてるのに、そのあと三味線と尺八を、間違って殺しちゃった遊女の生首を前に演奏してて、シュールすぎて苦しかった。シリアスなシーンだし、演出だって分かってるんだけどね!ごめんなさいw
 第二幕は大本命!勧進帳
能のスタイルがかなり取り入れられてる感じの演出だった。染五郎さんの息子の金太郎君がかわいかったー^▽^
本当なら源義経染五郎さんだったんだよね、お怪我大丈夫かしら。
夜の部は幸四郎さんが弁慶で、團十郎さんが富樫だった。(昼の部はキャストが逆)
もう幸四郎さんの弁慶は真面目で情が深くて忠義に篤くて、でもひょうきんでお調子者で、とても素敵だった。
山伏に変装して奥州を目指す義経一行が、関で詮議を受けるのを何とかかいくぐるんだけど、本当は富樫は義経主従だと気付いてて、それでも弁慶の命がけの忠義に感動して通してあげるってのが、分かっていても面白い。山伏問答は一番の見所。
能の要素がたくさん入ってるから、見栄きりはほとんどなくて、舞踊的な見所がかなりあった。長唄と鼓と三味線が大活躍。
最後の弁慶の飛び六法の引っ込みも見せ場だった!席は2等A席で正面側だったんだけど、なんとか花道が見えるところでよかった^▽^
團十郎さんの富樫もしっかり見たかったんだけど、幸四郎さんの魅力にあらがえず・・・。素敵だったー。
はあ、今度はまた中村勘九郎さんを見に行きたいな。彼の声もとても好きなんだ。七之助さんの女形も見たい!でも坂東玉三郎さんはいつか絶対に見たい!歌舞伎面白いよーヽ(≧▽≦)/

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八月花形歌舞伎 観劇

8月12日、新橋演舞場にて八月花形歌舞伎を観劇してきました!
見たのは夜の部、伊達の十役。
市川海老蔵さんの、善悪入り乱れの十役早替りと宙乗りが目玉の演目。
もう本当に楽しかった!ホラーあり、ミステリーあり、アクションあり、ギャグあり、涙あり、笑いあり!もう忙しいw
勝手なイメージで市川海老蔵さんは二枚目系の役者なのかと思ってたけど、三枚目っぽい役どころがとても上手かった。
どうしようもない悪人なんだけどひょうきんでちょっと憎めない感じだったり、郭遊びに惚けるダメなお殿様のダメダメっぷりだったり、忠義のために自分の嫁とその姉を殺す残忍さを持ち合わせる男の、その内側の愛嬌だったり。
善悪どの役どころも人間臭い感じが良かった。
特に好きだったのは、お話をまわす悪役土手の道哲、幼い若君の乳母政岡、妖術使い仁木弾正。
道哲は本当に憎めない悪役!この悪坊主!やってることはだいがいひどいことなんだけど、ひょうきんな言い回しと表情とあっけらかんとした存在感が憎めない。
政岡は本当に悲しい、切ない女性。自分の子供に若君を守るよう厳しくしつけてきて、己もまた乳母として若君を身を挺して守ってきた。そして、若君を守ろうとした幼子を目の前で敵に嬲り殺されて、でも若君を最後まで守るために敵の前では気丈に振る舞い、我が子の死体と2人きりになった後の、よくやったよくやったって泣くところがもう、辛くて、危ないことをしたら叱る母親はいても、自ら危険を冒して死ねと言う母親がいるか、と嘆く所で涙でた。正直、海老蔵さんの女形は全く期待してなかったが、いい意味で裏切られた!
妖術使いの仁木弾正はその存在の妖しさと、ギャグパートのギャップが面白すぎた。いや、ギャグパートって言ったら失礼だけど、本気で腹筋持って行かれるかと思ったwねずみ大活躍w宙乗りは2階席3階席にとって目の前に役者が現れる素敵な演出。おおお!ってなった。
以前、中村勘太郎(現:勘九郎さん)の四役早替りの演目を見たときも思ったけど、こういう早替りの演出って言うのは、その役同士に投影される共通点があるってわけじゃなく、一人の役者の多面的な魅力を開花・発見することに意味があるんだろうなと。
女形は本当にいい意味で裏切られたし、悪役としての華に素晴らしく秀でた役者さんだと思った。かと思えば清廉な裁き人も演じられる。すごく面白い!
でも彼が演じることによって、十役のうちいくつかの役どころに共通点が生まれた気がする。どれほどの悪人でも、残忍さをもつ善人でも、人間味というか憎めない愛嬌があった。なんとなく初演(1815年)からの思惑ではないような気がする。
いろいろ書いたらすっきりした!とにかく楽しかった!
みんな歌舞伎見たほうがいいよ、すごく面白い。新橋演舞場はわりとお値段もお手ごろだから是非見に行くべき!
歌舞伎の上でのファンサービス、フンチラ(フンドシチラリ)もあるよ!www

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